【現場から、】台風19号災害

2019年11月19日【福島発】
福島 一軒一軒避難呼びかけた区長

台風19号の被害が大きかった福島県本宮市では、雨が強まる前から避難を呼びかけていました。しかし、自宅にとどまった人も多く、避難をどのように伝えるかが課題です。

阿武隈川とその支流が氾濫し、広範囲が浸水被害を受けた本宮市。7人の尊い命が奪われました。

台風19号が接近した先月12日、市は雨が強まる前の午後2時に、高齢者などに避難を始めるよう呼びかけました。その6時間後の午後8時には、避難勧告を出しています。さらに、午後10時15分と13日午前0時50分の2回にわたり、直ちに避難を呼びかける避難指示を出し、市長自ら防災無線で呼びかけました。その後、13日の午前1時に阿武隈川の氾濫を確認。避難が呼びかけられるなか、自宅にとどまっていた人も多く、犠牲者の7人のうち5人は自宅の1階で亡くなったのです。

「あちらの堤防の奥にある川の水が、こちらの住宅地に流れ込みました。流れ込んだ水の量は、こちらの住宅の1階の天井部分まで達したといいます」(記者)

このアパートでは、1階に住んでいた77歳の男性が亡くなりました。

一方で、住民たちのつながりによって救われた命がありました。

「災害はいつやって来るかわからないし、来た時は自助、共助が大事」(福島・本宮市舘町地区 区長 門馬秋夫さん)

門馬秋夫さん(76)。本宮市の舘町地区で区長を務めています。門馬さんはあの日、避難準備の情報が出された午後2時ごろから、町内会の同じ班17世帯を何度も回り、避難を呼びかけました。

「車で会長(門馬)さんに移動してもらって、本当に助かった」(町内会の住民)

こちらの女性は、門馬さんの呼びかけで避難したといいます。門馬さんの呼びかけもあり、町内会のメンバーは全員無事でした。

「(舘町地区は)本宮で一番水の出る場所、水害にあう場所。だから水に対しては敏感」(門馬秋夫さん)

過去の水害を教訓にしようと、門馬さんは年に2度、町内会で防災訓練を行っているといいます。しかし今回、自宅にとどまる人も多く、実際、舘町地区全体では2人が亡くなりました。

「そんなにこないだろうという安心感もあったと思う」(門馬秋夫さん)

門馬さんは、改めて日頃の備えが大事だと感じています。

「防災(訓練)というのは意識管理だから、それを続けなければならない。何が起こるか分からないから続けていく」(門馬秋夫さん)

想定外の水害に見舞われた本宮市。住民一人一人の危機意識をどう高めるかが問われています。