【現場から、】台風19号災害

2019年11月5日【岩手発】
震災乗り越えた三陸鉄道、再び被災

岩手県では、東日本大震災を乗り越え、運行を再開した三陸鉄道が再び広い範囲で被災し、完全復旧のめどが立たないままとなっています。

岩手県の沿岸部を南北に走る三陸鉄道。台風19号の豪雨により線路に土砂が流れ込んだり、路盤が流失したりして、およそ7割の区間で運休が続いています。

1984年に開業した三陸鉄道は、地域住民や観光客の足としての役割を果たしてきました。2011年の東日本大震災では、駅舎や線路が流される被害を受けましたが、2014年に全線で運転を再開。今年3月にはJR山田線だった宮古~釜石間の55キロを譲り受け、第三セクター鉄道で、全国で最も長い163キロで新たなスタートを切ったばかりでした。

「これからの子どもたちのために、学校に通ったり、生活するのに必要な交通機関なので、うれしく思います」(沿線の住民[3月])

台風19号の豪雨で被害を受けた場所は、線路が77か所、電気設備は16か所におよびます。運休区間では、バスによる代行輸送が行われていますが、利用者は鉄路の早期復旧を望んでいます。

「不便です。列車で行った方が楽です」(利用者)

「列車だと座って友達と勉強しながら行けるので、鉄道の方が便利です。僕たちも頑張るので三鉄さんもがんばってください」(利用者)

三陸鉄道は復旧作業を急いでいて、年内までにさらに一部区間で運転を再開する方針です。しかし、全線での運転再開のめどは立っていません。

「三陸は津波だけでなく、大雨にも備えなくてはならないことを痛感。1日でも早く解消できるように頑張ってまいります」(三陸鉄道・中村一郎社長)

震災を乗り越えた矢先の台風被害。道は険しくとも地域の足の完全復旧に向けて、懸命の作業が続きます。