【現場から、】台風19号災害

2019年11月4日【長野発】
ボランティア来ず…“支援の差”が課題

ボランティアの受け入れを巡り、被災地では復旧作業の進捗に差が出てきています。ボランティアを支援の必要な場所にどう配置するのか、長野からの報告です。

先月29日、長野市津野地区の月原とよみさん(77)の家では、自宅の中と庭にたまった大量の土砂の片づけが進みません。

「なかなか…元気も出てきませんよね」(月原とよみさん)

自宅は千曲川の堤防が決壊した場所からおよそ1キロ。1階部分のほとんどが浸水しました。

79歳の夫と2人暮らし。自宅の片づけには親戚が来てくれていますが、頼みのボランティアの姿はありません。

「ボランティアを申し込んでくださいというので、申し込んではありますけど、なかなか。2回くらい来ていただいただけで、あとは…」(月原とよみさん)

「全部手作業になってしまうから、できれば重機などで支援があれば、非常に助かると思う」(とよみさんのおい 月原秀宣さん)

長野県内にはこれまでに、のべ2万人以上がボランティアに入っていて、堤防が決壊した隣の穂保地区をはじめ、月原さんの家がある津野地区でも活動しています。その中で、支援に差が出ている理由の一つが濁流に流された住宅です。

流されてきた家がふさいでいるのは、月原さんの家から災害ごみを運び出したり、重機が入ったりするのに欠かせない道路です。国道からも車がすれ違えない細い道を入ったところにあり、被害状況が伝わりづらくなっていたのです。

浸水から半月、津野地区には泥の撤去などが終わった公民館に、ボランティアのサテライト拠点が新たに設けられました。津野地区を3つに分け、「コーディネーター」を配置。地区を細かく回って、被災した人から要望を聞き取り、ボランティアを派遣します。

「今まで漏れてきたニーズも、拾えるようになってきたかなと思う」(長野市社会福祉協議会・小野貴規さん)

最初の取材から3日後、月原さんの自宅を訪ねると、ボランティアの姿が。

「うれしいです…本当に」(月原とよみさん)

訪れたサテライトのスタッフに要望を伝えたところ、力を借りられることになりました。庭先に残る30センチほどの泥を片付けていきます。

「昔の状態が少しずつ、下が見えてきた。若い力ってすごいですね。こういうボランティアでみんなやっていただいて」(月原とよみさん)

被災地の復旧に向けて長野県では、この先1か月でおよそ5万人のボランティアが必要だとされています。人手が足りないなか、息の長い支援を続けるための試行錯誤が続きます。