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TBS NEWS

2021年2月1日

今週の注目「テスラ、年間決算で初の黒字」

[ TBSテレビ報道局 上席解説委員 播摩卓士 ]

 アメリカの電気自動車メーカーテスラが、年間決算で初めて黒字を達成しました。

 テスラは27日、2020年12月期の通期決算で、売上高が前期比28%増の315億ドル3600万ドルとなり、純利益が7億2100万ドル、日本円にしておよそ750億円になったと発表しました。新型コロナウイルスの感染拡大にもかかわらず、世界的な脱ガソリン車の流れを背景に販売が大きく伸びたためで、販売台数は49万9647台と目標の50万台をほぼ達成しました。テスラが、1年を通じた決算で黒字を計上するのは初めてのことで、イーロン・マスク会長は「決定的な1年となった」と語っています。

 テスラは、現在のカリフォルニアと中国・上海に加えて、今年はテキサス州とドイツ・ベルリンの新工場を稼働させる計画で、販売台数は、2年後に100万台を超えるとの見通しを示しています。

 ベンチャー企業としてスタートしたテスラは、長らく巨額の投資が先行、その一方量産化にも手間取り、ずっと赤字続きでしたが、ここに来てついにビジネスが離陸した感があります。テスラの株価は2020年の1月には86ドルでしたが、今年の年初には729ドルと、1年で8倍以上に上昇し、現在の時価総額は7919億ドルと世界の自動車メーカーの中では断トツのトップで、マスクCEOが「決定的」と振り返る気持ちもわからなくはありません。

 もっとも黒字とは言っても、二酸化炭素の排出権をクレジットとして販売した上でのことで、自動車単体では採算は苦しいと言われており、今後は、一層の生産コストの低減が求められることなりそうで、並み居る世界の自動車メーカーとのし烈な競争が待ち構えています。

 一方、アメリカの自動車最大手のGM・ゼネラルモーターズは、28日、2035年までに新たに販売するすべての乗用車を、電気自動車など排ガスを出さない車にする方針を発表しました。GMは今月、長らく親しまれたロゴを大文字から小文字に変更、小文字のMが電気プラグをイメージさせるデザインになっており、電動化への転換の本気度を強く印象付けています。

 日本メーカーでは日産自動車が、27日、2030年代の早期に日米欧と中国の主要市場に投入するすべての新型車をすべて、ハイブリッドも含めた電動車にすると発表しました。脱炭素社会の流れに加え、アメリカのバイデン新政権誕生も受け、電動化計画の発表合戦の様相を呈して来ています。

(BS-TBS「Bizスクエア」 1月31日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBSテレビ報道局 上席解説委員)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。ワシントン支局長、NEWS23キャスター、編集主幹、解説室長などを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。