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TBS NEWS

2020年12月14日

今週の注目「Airbnb上場、いきなり時価総額10兆円」

[ TBSテレビ報道局 上席解説委員 播摩卓士 ]

 アメリカのエアービーアンドビーがついに上場、時価総額がいきなり10兆円です。

 アメリカの民泊仲介大手のエアービーアンドビーは、10日、アメリカのナスダック市場に上場し、新規株式公開を果たしました。投資家の成長期待を反映して初値は146ドルをつけ、公開価格である68ドルの2倍以上となりました。株価は一時165ドルまで買われる場面もあり、時価総額は一時1000億ドル近く、日本円にして10兆円に達しました。この時価総額はアメリカの大手ホテルチェーン3社、マリオット、ヒルトン、ハイアットの合計を上回るものです。

 2008年創業のエアービーアンドビーは、旅行者と空き部屋を提供する家主を結び付けるサービスを世界で展開し、シェアリングエコノミーの旗手として急成長しました。新型コロナウイルスの感染拡大で一時は上場が危ぶまれたものの、7-9月期の決算ではコスト削減効果もあって4四半期ぶりに黒字を確保していました。

 エアービーアンドビーはこれまでユニコーン企業の代表とされてきました。ユニコーンとは、スタートアップ企業で未上場ながら、時価総額が10億ドル、日本円にして1000億円以上ある大きな企業のことです。それが上場と同時に、ユニコーンの基準の100倍にあたる1000億ドル、10兆円をいきなり超えたというのは驚きの出来事です。しかも名だたる有名ホテルチェーンをも軽々上回るとは、さらに驚き。電気自動車のテスラの時価総額が、トヨタの時価総額をあっと言う間に、抜き去ったことと重なる光景です。

 実は、エアービーアンドビーは、確認できる2015年以降、1年を通しては未だ一度も黒字になっていません。ずっと赤字決算なのです。デジタル企業に対する市場の期待の強さと言えば、それまでですが、一方で、超金融緩和の中でのバブルの一例と見る向きもあります。

 そもそもコロナを経験して、他人との接触を避ける傾向が強まる中で、仮にワクチンが行きわたったとしても、他人とモノや場所をシェアするというビジネスが、これまでと同じように伸びていくのだろうか、という疑問も残ります。

 市場が出した「価格」という解をどう読めばいいのか、なかなか難しいものです。

(BS-TBS「Bizスクエア」 12月13日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBSテレビ報道局 上席解説委員)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。ワシントン支局長、NEWS23キャスター、編集主幹、解説室長などを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。