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TBS NEWS

2020年11月30日

今週の注目「米年末商戦、コロナ禍でも好調なスタート」

[ TBS報道局 解説・専門記者室長 播摩卓士 ]

 コロナ禍にも関わらず、アメリカの年末商戦は好調なスタートを切ったようです。

 アメリカでは27日、感謝祭翌日のブラックフライデーを迎え、年末商戦が本格化しました。今年は、新型コロナウイルスの影響でニューヨークでも感謝祭当日は恒例のパレードが一区画に制限されて多くの店舗が休業、ブラックフライデーも実店舗では営業時間の短縮や入店制限などの影響が出ています。アメリカのソフトウエア会社アドビによりますと、今年のブラックフライデーで消費者がオンラインで商品購入に費やした金額はは90億ドルにのぼり、去年に比べて21.6%も増加しました。

 全米小売業協会(NRF)によりますと、11月から12月の小売売上高は、去年に比べて最大5.2%増の7667億ドルになると予想され、過去5年の平均の伸びを上回る見通しだということです。内訳ではネット通販が最大で30%増加となる一方、実店舗は5%程度の減少になると予想しています。

 新型コロナですでに26万人が亡くなるなど、大きな被害が出ているアメリカで、年末商戦の売り上げが去年より増えるなど好調だというのは、驚きです。全米小売業協会によれば、コロナで旅行や娯楽の支出できなかった分、買い物消費に回す動きがあるということで、コロナに明け暮れた1年の終わりぐらい、思い切ってモノを買って気分を明るくしたいというアメリカ人の思いがあるのかもしれません。

 年末商戦が好調なのは、コロナに対応してネット販売の拡充やセールの長期化といった企業側の対応努力も背景にあります。コロナはネット通販へのシフトを一段と加速させ、今年は全体の3割がネット販売になると見られています。アマゾンは10月半ばから断続的にセールを開始し、これにウオールマートなども追随、配送などの混雑を平準化する効果も出ていると言います。実店舗でも、お店の混雑を避けるためにセールを前倒しするところが増え、かつてのブラックフライデー集中から分散されつつあるそうです。

 年末商戦の最終的な成績が明らかになるにはまだ時間がかかりますが、まずまず好調な出だしとなったアメリカの年末商戦を見ると、アメリカ経済の強さの理由が少しわかるような気がします。

(BS-TBS「Bizスクエア」 11月29日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局 解説・専門記者室長)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。