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TBS NEWS

2020年11月23日

今週の注目「ボーイング737MAXようやく運航再開へ」

[ TBS報道局 解説・専門記者室長 播摩卓士 ]

 1年8か月に及んだ運航停止がようやく解除となりました。

 FAA・アメリカ連邦航空局は、18日、ボーイングの新型旅客機・737MAXの運航再開を承認したと発表しました。737MAXは機体の姿勢を制御する最新鋭のシステムの誤作動などにより、2018年と19年にあわせて346人もの死者を出す、2度の墜落事故を引き起こし、去年3月から全世界で運航停止になっていました。

 その後、ボーイングではシステム改修を行うと共に、パイロットへの追加訓練プログラムなどの対策も打ち出し、このほどFAAに運航再開が承認されたものです。

 これを受けて、アメリカン航空が来月末にも運航再開を計画している他、ユナイテッド航空も来年1-3月期の運航再開を予定しています。

 世界で最も人気の高い旅客機と言われる737シリーズの新型機はボーイング社の屋台骨を支える存在だけに、運航再開は、ボーイングだけでなく関連する企業には朗報で、ひとまず、各社の株価を押し上げるという効果が出ています。

 しかし、その先行きは楽観できません。運航停止の1年8か月の間に、新型コロナという予想外の事態が発生して航空需要が大幅に消滅し、世界の航空会社は歴史的な苦境に陥っています。737MAXのキャンセルは、今年1月から10月だけで1043機に及び、ボーイングは4四半期連続の赤字に陥っています。受注がかつてのように戻ることは見通せていません。

 アメリカ製造業を代表する企業として君臨してきたボーイングですが、この間、ずさんな安全管理体制が露呈し、ミューレンバーグCEOが辞任にまで追い込まれました。傷ついた信用を取り戻すのは容易な道のりではありません。

(BS-TBS「Bizスクエア」 11月22日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局 解説・専門記者室長)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。