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TBS NEWS

2020年11月2日

今週の注目「中国、2035年にすべて環境対応車へ」

[ TBS報道局 解説・専門記者室長 播摩卓士 ]

 中国は、2035年に新車販売のすべてを環境対応車にする方向です。

 有力業界団体である中国自動車エンジニア学会は、27日、2035年までに新車販売の50%を電気自動車などの新エネルギー車にすると共に、残り50%を占めるガソリン車については、省エネルギーのハイブリッド車に限るとする指針を発表しました。この指針は中国政府の指導を受けて作られたもので、これによって2035年には中国で販売される新車はすべて環境対応車になり、従来のガソリン車は販売できなる見通しです。

 ガソリン車販売禁止に向けたロードマップづくりはヨーロッパで先行し、9月にはアメリカのカリフォルニア州が、同じく2035年にガソリン車の新車販売を禁じる行政命令を出しています。最大の自動車販売大国の中国が、こうした方針を打ち出したことは世界の自動車メーカーの戦略にも大きな影響を与えそうです。

 2035年と言えばあと15年、従来型のガソリン車が売れなくなる日への動きは一気に加速してきました。中国の今回の方針の特徴は、電気自動車、燃料電池車、それにPHV=プラグインハイブリッド車といった新エネルギー車は半分にとどめ、残り半分はHV=ハイブリッド車で良いとしている点で、ハイブリッドで先行する日本メーカーにとっては追い風になりそうです。

 アメリカのトランプ政権がパリ協定からの離脱を決定する一方、中国は2060年にCO2排出量実質ゼロを打ち出すなど、気候変動問題で国際的な主導権を握ろうとしており、今回の方針決定の背後にも、受け入れ可能な目標設定で日本などと連携したいという意図も透けて見えます。米中対立は、気候変動をめぐるルール作りというパワーゲームにも微妙な影響を与えていると言えるでしょう。

 そして、いよいよ投開票を迎えるアメリカ大統領選挙の結果が、今後のゲームの展開を大きく左右することになりそうです。

(BS-TBS「Bizスクエア」 11月1日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局 解説・専門記者室長)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。