NEWSの深層

TBS NEWS

2020年9月14日

今週の注目「セブンイレブン、商品宅配を本格化へ」

[ TBS報道局 解説・専門記者室長 播摩卓士 ]

 セブンイレブンが店舗からの商品の宅配を本格化させます。

 コンビニ大手のセブンイレブン・ジャパンが、店舗から商品を直接届けるサービスを来年度以降、少なくとも1000店規模に拡大させる方針であることが明らかになりました。セブンイレブンでは、すでに東京都内の39店舗や北海道、広島などで店舗からの商品宅配を実験的に行っていますが、新型コロナの影響で宅配需要が増加していることを受け、これを拡大し、宅配サービスに本格的に取り組むことにしました。対象は食品や日用品など3000点で、現在の実証実験では2時間程度かかっている配送時間を、30分に短縮することを目指していて、翌日配達が主流のネット通販などに対抗したい考えです。

 まだ細かい仕組みは発表されていませんが、現在は、配送は店舗から500メートル圏内で、注文金額が1000円以上から利用でき、配送料は時間によって110円から550円、3000円以上の注文は無料となっています。配送は物流大手のセブン専用子会社が行っているということです。

 この取り組み、どういう配送システムを作り上げ、どう利益を出していくのかなど、難しさもあるでしょうが、リアルとネットの融合という意味で意欲的な挑戦です。店舗そのものが配送拠点になることによって、配送距離が500メートル以内とけた違いに短くなるわけで、宅配の一番のネックである家庭までの「ラストワンマイル」で、リアル店舗を大量に持つ強みが生かされる可能性があるのです。

 急成長を続けてきたコンビニ業界ですが、店舗数が去年初めて減少に転じるなど、成長が頭打ちになっている上、ネット通販の急拡大でリアルな小売業自体が侵食されつつあるという危機感が、今回の取り組みの背景にあることは間違いありません。

 日本には高齢化や人口減少といった構造的な問題もあります。リアル小売業の深化の形として、日本発の新しいビジネスモデルが生み出されることを期待したいところです。

(BS-TBS「Bizスクエア」 9月13日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局 解説・専門記者室長)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。