NEWSの深層

TBS NEWS

2020年9月7日

今週の注目「ホンダがGMと戦略的提携へ」

[ TBS報道局 解説・専門記者室長 播摩卓士 ]

 ホンダが、アメリカのGMと戦略的提携へと関係をさらに深めることになりました。

 大手自動車メーカーのホンダとアメリカのGM=ゼネラル・モーターズは3日、北米の四輪市場でエンジンや車台=プラットホームの共通化をはじめ、部品の共同調達、コネクティッドサービスなどで提携を検討し、来年初めにも具体的な協業作業を開始すると発表しました。ホンダとGMはすでに電気自動車や燃料電池、自動運転といった次世代技術について提携していましたが、それを既存のガソリン車やハイブリッド車などにまで広げることにしたものです。協業の範囲は北米市場のみで、現時点で資本提携は検討していないということです。エンジンや車台を共通化してコスト競争力を高める方法は日産・ルノー連合でも行われた手法ですが、資本提携がない大手自動車メーカーがここまで踏み込むのは異例のことです。

 独自の技術へのこだわりが強いとされるホンダは長らく自動車メーカー同士の合従連衡には加わらず、いわば「孤高」を保ってきましたが、GMとの戦略的提携に大きく舵を切った形です。ホンダにとって、北米市場はこれまで成長の屋台骨でしたが、ここにきて新型コロナウイルスの影響で生産・販売が急減しています。一方のGMはかねてより過剰設備を抱えている上、既存の車の競争力強化が求められてきました。

 両社の提携深化は、既存のガソリン車などの生産で可能な限り効率化をはかり、そこで浮いた資金を電動化や自動運転といった次世代技術開発に振り向けることが目的です。逆に言えば、次世代技術開発には膨大な資金が必要で、現時点では、まだまだ十分な成果が上がっていないことの表われなのでしょう。

 戦後ニッポンのサクセス・ストーリーであるホンダが、より強くなり、次世代技術でも一歩抜きんでることはもちろん歓迎ですが、GMの車と車台やエンジンが同じだと聞けば、ホンダファンとしては、ちょっと「がっかり」かもしれません。ホンダらしさが失われないことを期待したいところです。

(BS-TBS「Bizスクエア」 9月6日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局 解説・専門記者室長)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。