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TBS NEWS

2020年7月6日

今週の注目「テスラ、時価総額でトヨタ抜く」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 テスラが株式の時価総額でなんとトヨタを抜きました。

 アメリカのEV・電気自動車最大手のテスラの株式時価総額は、1日、2070億ドル、日本円にして22兆2300億円となり、トヨタ自動車の1日の終値ベース、21兆7185億円を上回り、自動車業界で首位に立ちました。テスラは新型車「モデル3」の量産化に長らく苦しみ、去年10月までは株価も200ドル台で推移していましたが、「モデル3」の量産化が軌道に乗ると共に、中国・上海のEV工場の稼働も追い風になり、その後、株価が急上昇し、コロナ危機で低迷する自動車大手の時価総額を一気に抜き去りました。1日の終値は1119ドルと、1年前に比べて5倍以上、去年末に比べても2.7倍という急騰ぶりです。

 時価総額でEV専業メーカーが自動車業界首位に立ったことは、業界の構造的な変化を先取りするものとして、期待の大きさの表われと言えますが、コロナ危機の中で経済全体が大きく縮小している時だけに、さすがに「買われ過ぎ」という声も出ています。5月にはイーロン・マスクCEOも自らのツイッターで「テスラの株価は高過ぎる」と沈静化を促したほどです。

 ちなみに去年の販売台数でみれば、トヨタの1074万台に対して、テスラはわずか36万台です。一方で、コロナに苦しんだ今年4-6月期の販売台数でみると、トヨタがアメリカで前年比34.6%減と大きく苦しんでいるのに対し、テスラはわずか5%減と、底堅さを示しており、市場はこうした数字を更に、はやし立てています。

 アメリカの株式市場が超金融緩和によって実体経済から乖離しているとの指摘がある中でも、ひときわ突き抜けて上昇を続けるテスラ株。この時価総額の逆転を、単なるバブルと見るか、パラダイムシフトの前兆と見るか、なかなか難しいところです。

(BS-TBS「Bizスクエア」 7月5日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。