NEWSの深層

TBS NEWS

2020年6月8日

今週の注目「世界の新車販売、早くも回復か」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 新型コロナウイルスの感染拡大で大きく落ち込んだ世界の自動車販売ですが、早くも回復の兆しが出ています。

 中国汽車工業会によると、5月の中国の新車販売台数は、213万台と前の年の同じ月に比べて11.7%も増加しました。武漢を中心に広がった新型コロナウイルスで中国では自動車工場の生産も一時ストップしましたが、その後は政府の刺激策もあって4月からは新車販売もプラスに転じていました。日系メーカーではトヨタが20.1%増、マツダが31.6%増と大幅なプラスとなっています。

 一方、感染による死者が10万人を超えたアメリカでは、業界紙のまとめによれば、5月の新車販売台数は111万台で、前の年の同じ月に比べて30.1%もの大幅な減少となりました。しかし、減少率は4月のマイナス46.6%から大きく改善し、3か月ぶりに100万台の大台を回復、底打ちの兆しが見えています。調査会社によれば、GM・ゼネラルモーターズも郊外を中心に販売店が営業を再開し、前年比30%減にとどまった模様で、7割減などといった予想ほどは、悪くなかったというわけです。

 日系メーカーではトヨタが24%減、ホンダが17%減と、いずれも4月の減少率からは大きく改善しています。

 中国、アメリカは世界1、2位の自動車大国で、悪い経済統計が続々と出る中では明るいニュースとなりました。今後は、コロナウイルスの第2波が来ないか、アメリカの場合は、人種差別反対デモによる社会不安が収まるかにもよりますが、ソーシャルディスタンスへの意識の高まりから自動車需要は意外に強いのかもしれません。また、災害などのケースとは異なり、生産設備は破壊されていないので、コロナのケースでは、サプライチェーンさえ機能すれば、生産回復も急ピッチで進むということでしょう。

 コロナからの回復は、外食や旅行をはじめとする消費者サービス産業は時間がかかるものの、製造業では比較的速いスピードで進むのではないでしょうか。こうした見方も、株式市場を経済実態以上に強気にさせている要因の一つのように思います。

(BS-TBS「Bizスクエア」 6月7日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。