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TBS NEWS

2020年6月5日

新型コロナの“第2波” 今後予想される事態は・・・感染症専門医に聞いた!

[ TBS科学担当解説委員 齋藤泉 ]

緊急事態宣言が解除されて全国的に飲食店や施設の営業自粛要請が緩和され、通勤電車で通う人や歓楽街での人出も大幅に増えた。その一方で都内での感染は増加傾向にあり“東京アラート”も発動、北九州市など各地でクラスターが発生するなど第2波が心配されている。

国際感染症と渡航医学が専門の東京医科大学教授・濱田篤郎医師に今後予想される事態について聞いた。

〇 そもそも今の感染は第2波なのか?

濱田教授は「今後は年内に3回、注意を要する危険な局面がある」と述べる。1つは北九州市などがそうだが、まだ残り火があって緊急事態宣言を解除したことで再び感染の火が燃え上がるという流行。これを第2波ととらえる考え方もあるが、そんなに大きな流行にはならないのではないかという。

2つ目の局面は出入国規制を解除したとき。今の規制を続ければ日本の経済は成り立たず、政府はなるべき早期に緩和する方向で進めている。しかし今、南半球では、かなり流行が拡大しているし、欧米でも患者数が増えている。そういうところから患者が再び日本に入ってきて流行が拡がる可能性があると濱田教授は指摘する。規制を緩和する場合には相手国の感染状況を踏まえて判断していく必要がある。

〇 本格的な第2波は秋以降に

3つ目の局面が秋からの流行。濱田教授は「これが実際の第2波になる」と話す。

新型のCOVID-19もそうだが、それ以外の風邪の原因となるコロナウィルスも一般的には寒い時期に活動が活発となる。特に注意したいのは、日本は第1波の流行が欧米などと比べると軽く済んだと言える。ほとんどの国民が感染せずに第2波を迎えることになる。そうすると相当な数の感染者が第2波で出てくる可能性はあるという。

ただ、濱田教授は「あまり悲観的に考えるのもいかがなものかと思うのは、第2波が来る秋までに5か月以上ある。その間に医療体制や検査態勢を整備する。治療薬もレムデシビルが承認されたし、その頃にはアビガンなども承認されるかもしれない。こういった薬がある程度使えるようになっていれば感染者が増えたとしても、第1波の時にようにコロナによる死者が多い状況にはならないのではないか」と述べる。

この第2波はいつまで続くのか。来年春頃まで続くかもしれないが、その途中で希望的観測ではあるがワクチンが実用段階に入るのではないかと思う。実際は夏頃になるかもしれないが、ワクチンで押さえ込んで終息になるのが理想だという。

〇 寒さで屋内に籠もることで感染拡大

なぜ、秋から冬にかけて感染が拡がるのか。インフルエンザも冬に流行する。ウイルス感染症は寒くなる冬に拡がりやすいと考えた方がいい。冬場は「乾燥しているから」と考えるのは、あまり正しくない。乾燥しているからではなくて寒いから人々が家の中に籠もるために飛沫感染などが起きやすくなるのだという。現にイギリスやフランスなど西ヨーロッパは冬場に雨が多いが感染症は流行している。

〇 第2波に備えるためにできることは?

予想される冬場の本格的な第2波にどう備えたらいいのか。

濱田教授は「個人個人について今年はインフルエンザのワクチンは必ず受けてもらいたい。もちろん100%効くわけではないが、インフルエンザにかかって医療機関を受診することはできるだけ避けてもらいたい。医療機関が混乱してしまう」と訴える。そのうえで、新しい生活様式である感染予防、手洗いやマスク、3密を避ける、ソーシャルディスタンス(人と人との距離を広げる)ことを続けてほしいという。第2波が来て感染者が増えてくると国は再び緊急事態宣言を出す可能性も考えられるとしている。

齋藤泉

齋藤泉(TBS科学担当解説委員)

経産省、文科省、外務省など10の省庁を担当。先端技術、ロボット、次世代エネルギー、情報通信など取材。東日本大震災後は福島第一原発の廃炉の現場取材を継続。趣味はジャズと映画鑑賞。合気道二段。