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TBS NEWS

2020年5月11日

今週の注目「3月の消費支出、5年ぶりの落ち込み」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 家計の消費落ち込みが顕著になっています。総務省が8日発表した3月の家計調査によりますと、2人以上の世帯の消費支出は、1世帯当たり29万2214円で、物価変動を除いた実質で、前の年の同じ月に比べ6.0%もの減少となりました。下落幅は2015年3月以来5年ぶりの大幅な落ち込みです。これで、消費支出のマイナスは、消費税が10%に引き上げられた去年10月以来、6か月連続です。

 3月は学校の一斉休校や外出の自粛の影響で、航空運賃が84.7%減や遊園地代86.8%減など、旅行や娯楽関係の支出が軒並み大幅マイナスとなりました。

 その一方、いわゆる「巣ごもり需要」で消費が急増したものもあります。パスタが44.4%増、即席めん30.6%増、冷凍食品22.2%増、コメ15.3%増などと保存のきく食料が大きく伸びたほか、一時、店頭で不足したトイレットペーパーも26.4%増えました。総じて不振だった娯楽関係の中では、ゲーム機が165.8%増、ゲームソフト157.0%増と支出が急拡大し、「巣ごもり」効果をはっきりと示しています。

 この他目立ったものでは、口紅への支出が22.2%も減少しました。長引くマスク生活で、女性が口紅をつける機会が減っているのか、或いはマスクの下では見えないので、新しいものを買おうという消費意欲が低減したのでしょうか。

 この数字は3月のもので、緊急事態宣言が出された4月には、こうした傾向が一層強まると予想されますし、それは、コロナ後の新たな消費の方向性を先取りしているのかもしれません。

(BS-TBS「Bizスクエア」 5月10日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。