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TBS NEWS

2020年5月4日

今週の注目「アマゾン巣ごもりを取り込む」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 新型コロナウイルスによる、いわゆる「巣ごもり効果」が如実に表れました。アメリカのインターネット通販最大手のアマゾン・ドット・コムが30日発表した今年1-3月期の決算は、売上高が754億5200万ドル(およそ8兆900億円)と、前年同期比で26%もの大幅な増加となりました。全米各地で外出規制が広がり、ネット通販需要が急増した上、クラウド事業も伸びたためで、四半期の売上としては過去最高の記録です。

 もっとも物流費など需要の急増に対応する経費が膨らんだため、純利益は29%減の25億3500万ドルにとどまりました。アマゾンは3月以降、需要の急増に対応するためあわせて17万5000人もの新規雇用を発表しています。従業員からは一層の感染防止策などを求める声が上がっていて、ベゾスCEOは「従業員の安全を守るための対策を講じていく」としています。

 このように利益面や労働側との交渉といった問題を抱えながらも、事業の明確な拡大傾向を好感して、アマゾン・ドット・コムの株価は、すでに今年2月につけた最高値を更新しています。アマゾン株は2月の2200ドル近くから、全米での新型コロナウイルス拡大を受けて、3月12日には1676ドルにまで急落しましたが、それを底に上昇に転じ、4月14日には過去最高値を更新し、現在は2400ドル近辺にまで上昇しています。

 この他、ネットフリックス株もすでに最高値を更新していますし、ハイテク株が中心のナスダック指数は、すでに年初と同じ水準まで戻しています。

 一方で、代表的な指標であるダウ平均株価は、急落後の最安値からは、まだ半値戻し、つまり半分程度しか戻せていません。業種によってアメリカでの株価の戻り方には、大きな違いが出ているのです。こうした株価の戻り方が、コロナ危機後のアメリカ経済の変容を示唆しているのかもしれません。

(BS-TBS「Bizスクエア」 5月3日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。