NEWSの深層

TBS NEWS

2020年5月3日

同時検証「コロナ禍」の日々(14)痛恨の「緩んだ3連休」

[ TBS政治担当解説委員 石塚博久 ]

 今となって痛恨の事態は、3月20日「春分の日」、21日「土曜日」、22日「日曜日」の「3連休」だ。

 当時の新聞を見ると「桜の名所で知られる上野公園は21日、大勢の花見客でにぎわった。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、東京都が花見につきものの飲食を自粛するよう求めても「やっぱり桜を見たい」。訪れた人たちは桜の下をゆっくりと歩き、マスク姿も目立った」「東京都は、都立公園での飲食を伴う宴会を控えるよう呼び掛けている。上の公園の桜並木沿いにはロープが張られ、路上にも『宴席禁止』の注意書きがあるものの、シートを敷いて飲食するグループもあった」(産経新聞22日朝刊)との状態だ。

 ちなみに、気象庁は22日、東京都千代田区の靖国神社にある桜の標本木が満開になったと発表している。

 また、地方でも「東京オリンピックの聖火を東日本大震災の3県で巡回展示する催し『復興の火』は21日仙台市で行われ、約5時間半で5万2000人が観覧した。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、主催する宮城県は混雑緩和に努めたが、想定(1万人)の5倍以上の人出に500メートルを超える長蛇の列ができた。感染リスクが高まる密集の中、数時間待つ状態が続いた」(毎日新聞3月22日朝刊)とある。

 極め付きは「K-1開催」だ。
「新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、さいたま市のさいたまスーパーアリーナで22日、格闘技イベント『K-1 WORLD GP』が開かれた。主催者発表によると、来場者は6500人。会場を所有する埼玉県は事前に自粛を要請したが、主催者側は感染防止に万全な対策を取ったとして開催に踏み切った」(朝日新聞3月23日朝刊)とある。

 全国から集まったファンが、イベント後また全国に散っていったことを考えると、なんともそら恐ろしい話だ。

 この時の厚労省発表では、感染者数は20日昼12時現在でに950人、21日1007人、22日1046人だった。朝日新聞社調べで20日深夜12時現在で1727人、21日1767人、22日1813人だ。

 しかし、ずるいようだが、今になってわかるのは、2週間ほどの潜伏期間を経て、この「『3連休』の実際の感染者数」を示すという数字だが、朝日新聞社調べで4月3日深夜現在(多分実際の3月20日の感染者数)で3850人、4日(多分実際の3月21日の感染者数)4219人、5日(多分実際の3月22日の感染者数)4578人だ。この中での「花見」やら「行列」やら「大規模イベント」だったのだ。

 その結果、「3連休」から2週間たった(つまりは「3連休」の感染者をもとにした)4月3日付の朝日新聞の紙面では、「東京 新たに97人感染」「1日で最多、若い世代増」、そして4月4日付の朝日新聞朝刊の1面には「都内118人新たに感染」「感染355人一日最多」「東京、1週間で474人増」などとの見出しが躍ることになったのだ。

 このほかにも、読売新聞では4月5日付で「都内感染 初の100人超」「7割経路不明 全国は368人」との見出しで、記事の中では「都幹部は『2週間前の3月20~22日の3連休は花見シーズンにも重なり、気の緩みから外出した人の間で感染が広がった可能性もある』と見ている」振り返っていた。

 また、4月6日の毎日新聞朝刊1面は「コロナ経路不明急増」「都内感染1000人突破 半数追えず」との具合だ。

 そして、「緊急事態宣言 広がる容認論」「政府 感染者急増に危機感」(4月6日朝日新聞朝刊)などと雪崩を打っていき、今日にいたったのだ。

石塚博久

石塚博久(TBS政治担当解説委員)

1986年、日本経済新聞社入社。大阪本社証券部、名古屋支社(愛知県警、名古屋市役所担当)を経て、90年から東京本社政治部。官邸クラブ(海部政権)、野党クラブ(社会党土井委員長、田辺委員長)、平河クラブ(自民党竹下派担当、92年竹下派分裂など)等を担当。
1996年TBS入社。政治部で新進党クラブ、平河クラブ(自民党橋本派担当)、外務省(田中真紀子外務大臣)等を担当。その後「筑紫哲也NEWS23」ディレクター、デスクを経て、「時事放談」を制作プロデューサーとして立ち上げ。現在、TBS報道局政治担当解説委員。
著作:「官僚」(共著)新聞協会賞受賞