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TBS NEWS

2020年4月27日

今週の注目「ANA・JALとも1-3月期は赤字へ」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 新型コロナウイルスによる航空会社への打撃が、具体的な数字として表れてきました。ANAホールディングスは、20日、今年1-3月期の連結最終損益が594億円の赤字なった模様だと発表しました。これまでは75億円の黒字を見込んでいましたが大きく下方修正したもので、四半期の赤字としては過去最大です。一方、日本航空も、22日、業績修正を発表し、1-3月期の連結最終損益が233億円の赤字になった模様だと発表しました。従来予想を400億円下方修正したもので、四半期の赤字は2012年の再上場後、初めてのことです。ANAもJALも、売上高が21%減と急減したことが大きな要因で、新型コロナウイルスの拡大で需要が蒸発したことが浮き彫りになっています。

 足元では両社とも国際線が9割減便、国内線が5割から6割の減便とコスト削減努力は続いていますが、航空会社は機体にかかる費用や人件費など固定費の割合が大きいだけにトップラインがここまで減ってしまえば、赤字になるのは必然です。羽田空港には駐機スペースがないほど飛べない飛行機が駐機し、成田空港は第2滑走路やターミナルの一部を閉鎖するほどです。

 航空会社にとって外的な環境急変は、これまでも、同時テロ事件やリーマンショックなど何年かに一度ありましたが、今回は、そうした危機の際にも比較的堅調だった国内線までもが総崩れになってしまったところが、これまでとは比較にならない打撃を与えています。

 海外では、オーストラリア第2のバージン・オーストラリア航空が、21日、経営破たんに追い込まれました。アメリカの航空大手も全社が、総額で6兆円に上る公的支援を受ける事態になっています。日本の航空大手は手元資金などがそれなりにあるため、すぐに懸念がもたれる状況にはありませんが、影響がさらに長引くようだと体力の消耗戦になるわけで、いずれ何らかの公的な支援が必要になる可能性もあります。

参考)2020年1-3月期
ANAHD:594億円の最終赤字予想(前年同期は331億円の黒字)
JAL:233億円の最終赤字予想(前年同期は442億円の黒字)

(BS-TBS「Bizスクエア」 4月26日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。