NEWSの深層

TBS NEWS

2020年4月27日

同時検証「コロナ禍」の日々(10)「これまでの対応は」…

[ TBS政治担当解説委員 石塚博久 ]

 同時進行の「検証」のつもりで始めた振り返りだが、ここまでくると「うんざり」としてくる。潜伏期間を経て、2週間後にわかると言われる感染者数に対して、その時々の「決断」や「発言」、今から振り返るとズレ続けるのだ。そんな時、中学時代に読んだフレーズをふと思い出した。「イギリス人は歩きながら考える。フランス人は考えた後で走り出す。スペイン人は走ってしまった後で考えるーー」(笠信太郎著「ものの見方について」)。きっと、検証は早い方がいいのだろう。ならば「イギリス人」(当時の)になろうかなど、と思ってまた始めてみた。

 3月14日のコロナ感染拡大後2回目の安倍総理の記者会見で、冒頭説明の後の幹事社質問は、「今回の法改正について、1月に初めての感染者が確認されてから、国内で初の感染者が確認されてから約2か月後となりました。対応が遅れたという印象があります。クルーズ船の対応も含めて反省点などについてお聞かせください」と、対応の遅れを質したものだった。

 これに、安倍総理は「例えばクルーズ船についてでありますが、3,700名を超えるクルーズ船における見えないウイルスとの闘いという、これは前例のないオペレーションでありました。それに加えまして、また、全国規模のイベントの中止、延期、規模縮小や学校の臨時休校要請、入国管理の強化など、国民の皆様に御協力を頂きながら、あらゆる手立てを講じてきたところであります」と力を込めた。

 「その中で、クルーズ船におきましても今までにない対応だったのですが、限られた、既にそのときにある支援の中で、我々も最善を尽くしてきたつもりであります。しかし、そうした事態がこれから起こったときに、あらかじめそのような設備を用意をしておけばよかったのかどうかという点においては、まずは今現在の状況に対応することに全力を尽くさなければならないわけでありますから、そうした対応がこれは一段落したところにおいては、様々な検証を行っていく、そして、もし次に起こったときには、更に万全を期していく必要があるのだろうと、こう思っております」などと語った。

 もちろん、今となっては拡大を続ける「コロナ禍」の終結は見通せず、対応に忙殺される政府の「検証」もいつになるかはわからないのだ。

石塚博久

石塚博久(TBS政治担当解説委員)

1986年、日本経済新聞社入社。大阪本社証券部、名古屋支社(愛知県警、名古屋市役所担当)を経て、90年から東京本社政治部。官邸クラブ(海部政権)、野党クラブ(社会党土井委員長、田辺委員長)、平河クラブ(自民党竹下派担当、92年竹下派分裂など)等を担当。
1996年TBS入社。政治部で新進党クラブ、平河クラブ(自民党橋本派担当)、外務省(田中真紀子外務大臣)等を担当。その後「筑紫哲也NEWS23」ディレクター、デスクを経て、「時事放談」を制作プロデューサーとして立ち上げ。現在、TBS報道局政治担当解説委員。
著作:「官僚」(共著)新聞協会賞受賞