NEWSの深層

TBS NEWS

2020年4月24日

介護施設が休業に追い込まれている中、要介護者の家族の思いは・・・

[ TBS科学担当解説委員 齋藤泉 ]

新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言を受けてデイサービス、ショートステイ(短期宿泊)を行う介護施設も高齢者などの利用者が通所を自粛し、休業に追い込まれるケースが増えている。その一方で要介護者の家族は、施設になんとか受け入れて欲しいという事情もある。都内に勤務する介護支援専門員=ケアマネージャーに話を聞いた。

〇 休業に追い込まれる介護施設

・緊急事態宣言を受けて外出自粛により利用者が減って存続が厳しくなり、5月6日までデイサービスを休業するところが増えている。職員の人数が足りず、入浴サービスをシャワーだけにしたところもある。入浴だと1人で対応できないためだ。自宅訪問で要介護者のリハビリを行うところも出ているが、1回いくらという計算なのでサービス回数が減った分、収入は落ち込んでいる。

〇 どういう人が自粛するか?

比較的元気な方が感染防止として自粛している。つまり自分で自粛を判断できる人、判断できる家族がいる人。逆に同居していなくて独居の高齢者がいる場合や認知症の症状などがあり家族だけで面倒を見られない場合などは、通所してよるデイサービスを受けて欲しいというのが切実な思いだという。

〇 介護現場で働く職員たちの声は・・・

・「広いとは言えない部屋に常に30人ほどの利用者が手を伸ばせば肩に届くほどの距離で活動している」食事をしたり歌を歌ったりするなど、どうしても密集した空間になり、感染リスクが高くなっている。

・「職員全員が疲弊している。小学生の子どもがいる職員もシングルマザーなので持病のある母親に預けるしかなく、週に3日働くのが限度。ただでさえ、人手不足なのに応援をもらえないので、さらに人が足りなくなっている」

・「家にコロナを持ち帰ったり、自分が利用者に感染させたりしないかと、神経が休まらない」

・「利用者でマスクをしてくる人は30人中5人くらい。慣れてない人も多く、特に認知症の方などはすぐに外してしまう」

・「利用者には37.5度以上の熱と咳などの呼吸器症状がある場合は、来るのをお断りする旨のお知らせをしている。発熱したり風邪症状があったりしても翌日以降には下がった、改善の兆しが見えたから等の理由で通所を希望する家族が多いのが現状」


つまり、緊急事態宣言と言っても要介護者の家族は通所を自粛したくないというのがある。介護現場では、施設の介護士が頑張らないと高齢者はどこに行ったらいいのだろうか、という思いで仕事をしている。その一方で、このままでは自分たちがもたない。いっそ休業して欲しいという声も出ている。

事態が長期化する中、介護現場でも困惑の声と職員の疲弊が拡がっている。

齋藤泉

齋藤泉(TBS科学担当解説委員)

経産省、文科省、外務省など10の省庁を担当。先端技術、ロボット、次世代エネルギー、情報通信など取材。東日本大震災後は福島第一原発の廃炉の現場取材を継続。趣味はジャズと映画鑑賞。合気道二段。