NEWSの深層

TBS NEWS

2020年4月16日

同時検証「コロナ禍」の日々(4)「イベント中止」と「小中高一斉休業」と

[ TBS政治担当解説委員 石塚博久 ]

 初期段階での『春節』の期間の対応と、『ダイヤモンドクルーズ』の対応については、石破元幹事長は、「国会トークフロントライン」で、その問題点を指摘していたっけ。

■ 石破氏「『春節』と『ダイヤモンドクルーズ』と」(2月28日)

 「クルーザー船を下船されてから14日間、どこかの施設でおとどまりいただくってことが、それは発想としてあるべきだったと、私は反省してるわけですよ。で、お帰りは、駅まではバスでお送りするけれど、そこから先はどうぞ新幹線っていうのはやっぱりまずかったねって思いますね。入国規制を中国全土にしなかったかっていうことは、習近平国家主席の国賓としての来日とかね、インバウンドのお客さまとか、そういうことはありますって。ありますけども、今から思えば、全域から入らないようにするっていう判断もあってしかるべきだったねと。しかし、中国に対する支援。中国の今の窮状に対して、日本人はちゃんと思い致してるよっていうのが伝わればね、こう、厳しい措置を取っても、それは理解は得られたと思う」

 2月29日。新型コロナの感染拡大を受けての会見を続ける安倍総理は、そんな問題点にはもちろん触れなかった。目の前の透明なプロンプターを左、右と見るのを繰り返しながら、「集団による感染をいかに防ぐかが、きわめて重要です。大規模感染のリスクを回避するため、多数の方が集まるような全国的なスポーツ文化イベントについては、中止延期または規模縮小などの対応を要請いたします」と語気を強めた。ふと見ると、わきに座った菅官房長官は見たこともないような疲れ切った表情をみせていた。

 その中、安倍総理の説明は小中高校の一斉休校になり「全国全ての小学校・中学校・高等学校・特別支援学校について、来週月曜日から春休みに入るまで臨時休業を行うよう、要請いたしましたっ」と声を張り上げた。壁際の席の今井補佐官はその様子をじっと見つめ、パイプ椅子に付いたテーブルを人差し指でせわしなくたたいていた。安倍総理は「内閣総理大臣として、国民の生命と暮らしを守る。その大きな責任を果たすため、これからも先頭に立って、なすべきことは、決断していく、その決意であります」と声を張り上げ、「収束への道のりは予断を許しません。けわしく厳しい戦いが続いていく。そのことも覚悟しなければなりません」「しかし、私たちは必ず乗り越えることができる、そう確信しています」と説明をまとめた。

 「やれやれ」と思った。

石塚博久

石塚博久(TBS政治担当解説委員)

1986年、日本経済新聞社入社。大阪本社証券部、名古屋支社(愛知県警、名古屋市役所担当)を経て、90年から東京本社政治部。官邸クラブ(海部政権)、野党クラブ(社会党土井委員長、田辺委員長)、平河クラブ(自民党竹下派担当、92年竹下派分裂など)等を担当。
1996年TBS入社。政治部で新進党クラブ、平河クラブ(自民党橋本派担当)、外務省(田中真紀子外務大臣)等を担当。その後「筑紫哲也NEWS23」ディレクター、デスクを経て、「時事放談」を制作プロデューサーとして立ち上げ。現在、TBS報道局政治担当解説委員。
著作:「官僚」(共著)新聞協会賞受賞