NEWSの深層

TBS NEWS

2020年4月14日

同時検証「コロナ禍」の日々(2)「寝耳に水」が続き…

[ TBS政治担当解説委員 石塚博久 ]

 安倍総理は、2月25日の対策本部会議で、なにやらあいまいな基本方針を発表した後、翌26日の対策本部の会合で、今度は「多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベントは大規模感染リスクがある」と言い切り、団体や自治体に自粛を要請したのだったっけ。

 突然の自粛要請に、その夜に予定されていた人気音楽グループの「EXILE」やテクノポップユニット「Perfume」のコンサートが中止になるという慌ただしさだった。(一方で官邸の住民である秋葉首相補佐官が地元仙台でパーティーを開催していたことが後で発覚するのだが)。

 そして、波紋が広がる中、翌27日夕方には対策本部の会合で今度は「なによりも子供たちの健康、安全を第一に考え、感染リスクにあらかじめ備える」と全国小中高校の一斉休校を要請することをいきなり表明したのだった。

 しかも、「危機管理担当」のはずの菅官房長官が知ったのは当日午後という状況だった。新聞は「複数の関係者によると、首相の決断を後押ししたのは、今井氏による一斉休校の進言だったという。決断に政権の危機管理をになってきた菅官房長官が直接かかわることはなかった」(朝日新聞2月29日朝刊)と書いた。去年の内閣改造以来取りざたされる、菅官房長官と今井首相補佐官の対立が影を落としていた。

 「イベント中止」も「一斉休校」いずれの「政治決断」も、多くの関係者は「寝耳に水」で、「表明」とセットで出すべき「具体的な根拠」も、「手当て」もないままだったことが、混乱に拍車をかけていた。「国会トークフロントライン」でスタジオの石破元自民党幹事長は苦渋の表情を見せてたっけ。

■ 石破氏「もっと早くくから学校全部お休みにするかもと…」(2月28日)

石破氏「うん、それは事実としてあります。なんで、所得補償も一緒に言ってくれないよのというのはあります。だから、昼夜兼行で、この問題どうなるのよ、あの問題どうなるのよと。それは、学校の休校のみならず、イベントだってあっちこっちで中止になっているわけでしょ。この1、2日で、国民が不安だよねって思っていることにきちんとお答えする。それが政府の在り方ですよね。私だって政府・与党の一員だからね、それはもっと早くやるべきだったと。もっと早くから、こういうような学校全部お休みにするかもしれないよというようなことをね…」

 「やれやれ」と思った。

石塚博久

石塚博久(TBS政治担当解説委員)

1986年、日本経済新聞社入社。大阪本社証券部、名古屋支社(愛知県警、名古屋市役所担当)を経て、90年から東京本社政治部。官邸クラブ(海部政権)、野党クラブ(社会党土井委員長、田辺委員長)、平河クラブ(自民党竹下派担当、92年竹下派分裂など)等を担当。
1996年TBS入社。政治部で新進党クラブ、平河クラブ(自民党橋本派担当)、外務省(田中真紀子外務大臣)等を担当。その後「筑紫哲也NEWS23」ディレクター、デスクを経て、「時事放談」を制作プロデューサーとして立ち上げ。現在、TBS報道局政治担当解説委員。
著作:「官僚」(共著)新聞協会賞受賞