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TBS NEWS

2020年2月3日

今週の注目「国策企業JDIようやく資金調達へ」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 経営再建中のJDI=ジャパンディスプレイは31日、独立系投資顧問会社のいちごアセットマネジメントから最大1008億円の出資を受け入れる最終契約を結び、「いちご」のスコット・キャロン社長がJDI会長に就任すると発表しました。「いちご」の出資比率は当初は44%で筆頭株主になります。JDIはすでに5期連続の赤字、去年9月末時点で1016億円の債務超過に陥っており、今回の金融支援で債務超過を解消し、再建を軌道に乗せたい考えです。

 支援先探しは、去年初め頃から始まり、台湾企業や中国のファンドなどが名乗りを上げたものの、結局、資金振り込みにまで至らず、二転三転の末、ようやく日本のファンドである「いちご」に落ち着いたものです。

 ここまで支援先探しが難航したのは、これまで筆頭株主であった国(形の上では官民ファンドINCJ・旧産業革新機構)が、これ以上の出資を拒んだからです。ソニー、日立、東芝の液晶パネル部門を統合して発足したJDIに対し、国は、日本の戦略産業を支える企業として、これまでに総額2000億円もの公的資金を投じて、その再建を支えてきました。しかし、国際的なスマートフォン需要の振幅の大きさや、液晶パネルをめぐる激しい国際競争から、惨憺たる業績に陥り、とてもこれ以上のニューマネーをつぎ込むことができない状態になってしまったのです。公的資金に傷がつけば、批判されるのは明らかで、ここまで追い詰められれば、支援強化よりも、早くJDIから逃げたいというのが、国の本音でしょう。

 「戦略産業であり、公的支援は理に適う」と言っていた当初の議論は一体、どこに行ってしまったのでしょうか。公的支援を決めるだけ決めて、うまくいかなかったら黙って逃げようなんて許されるわけはありません。税金を使った以上、なぜ再建できなかったのかを含め、納税者にきちんと説明すべき時です。

(BS-TBS「Bizスクエア」 2月2日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。