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TBS NEWS

2019年12月16日

今週の注目「大塚家具が身売り、ヤマダ電機の子会社に」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 親子対立などで話題を呼び、経営再建中だった大塚家具が、12日、家電量販店のヤマダ電機の子会社になり、その傘下に入ると発表しました。ヤマダ電機が大塚家具の第三者割当増資を約44億円で引き受け、51.74%の株式を取得します。ヤマダ電機は、家電に加えて住宅分野に力を入れていて、大塚家具とも今年2月から業務提携しているので、その組み合わせに驚きはありません。

 驚いたのは大塚家具の大塚久美子社長がなんと続投するというのです。記者会見でヤマダ電機の山田昇会長は「チャンスを与えないといけない」と述べ、大塚久美子社長も「今回の提携を軌道に乗せる責任がある。やり遂げるのが大事だ」と述べました。

 大塚家具は2016年から3期連続の赤字で資金繰りも厳しくなっており、久美子社長自身2018年3月に私とのインタビューで「3期連続赤字ならレッドカードです」と自らの責任を認めていました。それが経営権を手放してもなお続投を宣言したのです。

 この間、大塚家具では親子対立のあおりで職場を変わらざるを得なかった従業員もいます。売り上げが急減した影響を被った取引先もあるでしょう。そして株価が下がって損をした株主もいます。今回の増資で株式発行数がほぼ倍になるのであれば、希薄化によって株主はさらに不利益も被ります。

 この局面で経営者が辞めないのであれば、「経営責任」という言葉はないに等しいと言わざるを得ません。あの親子対立のさなかに久美子氏が「父親のワンマン体制」を批判し、「企業ガバナンスの回復」を訴えたことが、滑稽にさえ見えてきます。

(BS-TBS「Bizスクエア」 12月15日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。