NEWSの深層

TBS NEWS

2019年10月15日

今週の注目「わずか1週間でトップ辞任、で、その後は?」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 「辞めるつもりはない」と言い切った、突込みどころ満載の記者会見からわずか1週間で一転、関西電力の八木会長、岩根社長が辞任を表明しました。多額の金品を受領しながら、まるで被害者であることを強調する会見に世の中の支持は全く得られず、強まる批判の前にあっさり落城となりました。事態が発覚した9月27日には個人情報理由に個人名や受領金品の内容を明らかにしないという驚愕の記者会見を行ってから2週間弱は、記者会見の『やり直し』を含め、原発村の常識がいかに世間とかけ離れているかを改めて印象づけるものでした。

 両首脳の辞任表明で当面、一段落したかのように見える関電疑惑のニュースですが、問題はこの後です。第三者委員会を設置して年内をめどに調査・報告をまとめるといいますが、どこまでこの問題の根っこまで膿を出しきれるでしょうか。八木会長こそ即刻辞任したものの、岩根社長が調査報告まで「責務を果たす」と残留することは、第三者委員会を一定コントロールしながら結論を導きたいという意図があるからだと指摘する声もあります。トップ2人の辞任表明の最大の目的は社内の順送り人事で「体制護持」をはかることでしょうから、「原発利権」の真実も一定程度の開示しかできないという見方が強いのです。

 一着50万円のスーツ券をサラリーマン役員にあれほど配っていた元助役には、長年にわたり相当なお金が受注企業から流れていたと見るのが自然です。元助役が関西電力の今の役員達にだけ金品を贈っていたと考えるのは無理があります。昔の役員にだって渡していたかもしれませんし、地元の仲間や行政、さらには政治の世界などには何の贈り物もしていなかったのでしょうか?元助役が亡くなってしまったので刑事責任を追及するのは難しいとの見方もありますが、大阪地検特捜部など検察が捜査に乗り出すのか、むしろ今後の真相解明にこそ注目が集まります。

 「信頼がなければ原発は動かせない」、これが福島の事故から得られた最大公約数の教訓だったはずです。

(BS-TBS「Bizスクエア」 10月13日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。