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TBS NEWS

2019年9月17日

今週の数字「マイナス0.5%」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 ECB=ヨーロッパ中央銀行が12日、3年半ぶりの利下げに踏み切りました。市中銀行が余剰資金をECBに預ける際に適用される「中央銀行預入金利」を、これまでのマイナス0.4%からマイナス0.5%に、さらに0.1ポイント引き下げました。またECBは、月200億ユーロの国債を購入するといった量的緩和策の再開も決めています。

 これは米中貿易戦争などによる中国の景気減速でドイツの輸出が大きく落ち込むなどユーロ圏の景気や物価の勢いが失速していることを受けたもので、イギリスのEU離脱問題も先行き不透明感に拍車をかけています。ECBのドラギ総裁は「経済の低迷はより長期化する恐れがある」と警戒感を隠していません。

 ECBはリーマンショック後の様々な危機を「ドラギ・マジック」と称される全面緩和政策で乗り切ってきました。2016年3月に「中銀預入金利」をマイナス0.4%に引き下げて以降は、これをずっと据え置き、量的緩和もついに去年12月には終了するなど、ドラギ総裁の退任する今年秋までに利上げに転換し、正常化することを狙ってきました。しかし結局、利上げが実現できないばかりか、再び利下げ・緩和に追い込まれたことになり、欧州経済の、いわゆる「日本化」(金利を下げても一向に経済が上向かないこと)が一段と現実味を帯びてきているのです。

 ECBが大きく緩和に舵を切ったことで、来週、アメリカのFRBが追加利下げすることは確実視されている他、日本も短期金利のマイナス0.1%をいずれ引き下げ(深掘り)せざるを得ないだろうとの見方も出てきています。

(BS-TBS「Bizスクエア」 9月15日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。