NEWSの深層

TBS NEWS

2019年8月5日

今週の数字「453円」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 2日(金)の東京株式市場で日経平均株価は、453円83銭安の2万1087円16銭と4か月ぶりの大きなの大きな下げ幅、つまり令和になって最大の下げ幅を記録しました。

 東証1部の9割の銘柄が下落する全面安の展開で、取引時間中には一時、節目となる2万1000円も割り込みました。

 原因はアメリカのトランプ大統領が突然発表した、9月1日からの対中国制裁第4弾の発動で、国際金融市場ではリスク資産を売る動きが加速、外国為替市場では一気に2円以上も円高ドル安が進み、1ドル=106円台に突入しました。

 アメリカ時間で言えば、その前日の31日に、FRBが10年半ぶりの利下げに踏み切りました。本来なら日米の金利差縮小で円高に振れるはずでしたが、パウエル議長が「これは利下げ局面の始まりではない」など今後の利上げに必ずしも前向きでない姿勢を示したことから、円相場はむしろ円安に傾いていただけに、逆ベクトルの力が大きく働きました。日本にとっては急速な円高が進まないことが、景気の維持や日銀の金融政策の大前提なので、市場関係者も穏やかではありません。このまま円高が進み105円台に入ると、1ドル=100円が視野に入る嫌な展開になります。

 アメリカの株式市場も、虎の子の0.25%の金利引き下げにも関わらず、トランプ大統領の不満表明もあって逆に今後の金融政策の行方に不透明感が高まり、3日続けて大きく下落するなど、国際金融市場はむしろ不安定化しています。対中制裁、中央銀行「口撃」と禁じ手に飛びつく大統領の手法が心配どおり市場の不安定化を招くという展開が、現実のものになってきました。

(BS-TBS「Bizスクエア」 8月4日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。