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TBS NEWS

2019年7月22日

今週の数字「6.2%」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 中国国家統計局は15日、今年4-6月期の実質GDP(国内総生産)の伸び率が前年同期比で6.2%の増加だったと発表しました。成長率は政府が目標とする6.0%~6.5%の枠内に収まってはいるものの、前期の6.4%からさらに0.2ポイント低下、リーマンショック直後の数字をも下回り、四半期ごとの成長率を公表している1992年以降、最低となりました。

 中国は3月の全人代で米中貿易戦争などを受けて景気重視に大きく舵を切り、インフラ投資の再開や大型減税にも踏み切りましたが、成長率の低下に歯止めをかけることはできず、景気の減速が再び鮮明になった形です。輸出の停滞で工業生産が減速、国内の投資や消費にも影響が出ています。今年上半期の中国の自動車販売台数は、前年比12%ものマイナスです。自動車の販売台数が二桁マイナスなのに、GDP成長率が0.2ポイントしか低下しないというのは中国統計の不思議としか言いようがありません。

 もっとも、公式統計で0.2ポイントもの低下を認めたこと自体、実態が相当悪いたことを表していると、各方面には受け止められています。というのも、中国は2020年のGDPを10年前の2010年から倍増させることを掲げていて、そのためには残りの期間6.2%成長しなくてはならないとされているからです。つまり、6.2%というのは公式統計が認められる事実上の限界と言うわけです。

 米中の貿易交渉は、先の大阪での首脳会談の結果、とりあえず継続と言うことになりましたが、中国経済がこのまま悪化を続けるのか、それとも交渉の妥結や国内景気対策の効果によって一時的な悪化に食い止められるのかは、今後の世界経済の行方を大きく左右することになりそうです。

(BS-TBS「Bizスクエア」 7月21日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。