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TBS NEWS

2019年6月28日

ニジェール教育現場の“デジタル化”

[ 報道局編集部 水口康成 ]

 ニジェールの首都ニアメの小学校を視察したアグネス・チャンさん。公立の小学校で600人ほどが在籍していて、16の教室で子供達が勉強しています。そして4月からデジタル・デバイスを使った授業が始まっています。

 熱心に取り組む子供達、時ならぬアジアからの視察団が来たこともるからでしょう。緊張している様子が、伝わってきます。

 教育現場でのこうした取り組みは珍しくありませんが、ニジェールの就学状況を考えると、ある意味「切り札」のように思えます。

 ユニセフによるとニジェールは「世界でもっと就学率の低い国のひとつ」だとしています。統計資料では就学年齢(6歳から16歳)までの50%以上が何らかの理由で登校していません。中には小学校を卒業しているのはそのうちの10%、2018年では小学校を卒業した子供達のうち52.2%しか中学校に進んでいない上、進学したとしてもそのうちの55%しか2年生に進級していないと説明します。

 そこでユニセフはconnect my schoolというプロジェクトを立ち上げ、基礎教育の充実を目指しています。このデジタルデバイス導入もその一環ですが、デジタル導入で授業改革、というよりは、遊び感覚で子供達の興味を引き、まずは基礎教育に子供達を向かわせたいという狙いです。

 立ち上がったばかりのプロジェクトですが、子供達の反応はご覧の通り、器用に使いこなしていました。

 うまく使いこなしても、問題の答えがわからないこともあります。そんなときは…

 ニジェールにおける基礎教育の問題は根深く、進級とともにギャップが開き、ドロップ・アウトしていくことで、成人になった段階で成人女性の識字率は15%、男性は42%。若者(15歳から24歳)の非識字率が世界で最も高く76%に上っています。関係者の話では「ここは6年生の授業です。この年齢で勉強できる彼らは、ハッピー、ラッキーです。本来子供が勉強することは普通でなければなりません。教育を受けるのは子供達の権利ですから」

 デジタル・デバイス導入からわずか2か月あまり。すでに「あの問題」が…校長先生の厳しい指導はこの次で。


水口康成

水口康成(報道局編集部)

外信部、NEWS23、サンデーモーニングなど担当。
元従軍記者で、著書は「旧ユーゴ内戦の記録'91-'96」や「ボスニア戦記」など、このほか通信社や新聞社などに寄稿。
趣味:テラリウム
好きな食べ物:カイマックと蜂蜜を塗ったパン