NEWSの深層

TBS NEWS

2019年5月27日

今週の数字「+2.1%」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 20日発表された日本の今年1-3月期の実質GDP国内総生産は、前に期に比べて年率換算で2.1%増となりました。事前の民間研究機関の予想はマイナス成長でしたが、それを覆す2期連続のプラス成長、しかも高い数字が出たので驚きをもって受け止められました。しかし内容は見かけの数字ほど良くありません。個人消費はマイナス0.1%、設備投資もマイナス0.3%と民需は弱く、輸入が4.6%も減少し、内需の弱さを映し出しました。GDP統計では輸出はプラスに、輸入はマイナスに作用します。つまり、輸入が減ればGDPは逆にプラスになるわけで、今回は輸入のマイナスが大きかった分、GDPが大きなプラスになったわけです。

 GDPの中身の悪さに加えて、先に発表された景気動向指数が「悪化」と判断されたこともあって、政府の公式な景気判断が変わるのかどうかが注目されましたが、24日に発表された5月の月例経済報告は、「輸出や生産の弱さが続いているものの、緩やかに回復している」として、「緩やかに回復」という基調判断は変えませんでした。

 「参議院選挙前に景気が悪くなっているなんて言えない」とか「景気の悪化を認めると10月に予定している消費税増税ができなくなる」など、政治的な判断が働いているのではないかといった声も出ていますが、景気回復の力が弱まっている「踊り場」なのか、回復局面が終わったのかを見極めるのが難しい場面であることは間違いありません。

 景気の方向性が見えない最も簿妙なタイミングで、消費税増税の時を迎えることになりそうです。

(BS-TBS「Bizスクエア」 5月26日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。