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TBS NEWS

2019年5月22日

萩生田発言の真相とくすぶる衆参ダブル選挙の憶測【2】

[ TBS政治部記者 室井祐作 ]

■衆参ダブル選挙がささやかれるもうひとつの背景

 もうひとつ、衆参ダブル選挙がささやかれる理由としては、国会開会中にも関わらず、依然として堅調な内閣支持率がある。

 二階幹事長が5月13日の会見で、記者から同日選挙の可能性について問われた際も「総理が、ご判断すれば我々党としては全面的にそれをバックアップして対応していく用意はある」と強気の姿勢をみせたのも、好調な内閣支持率が背景にある。 5月の連休明けのJNN(TBS系列)の世論調査で内閣支持率が57.4%と先月より4ポイント上昇した。この数字は報道各社の中でも突出していて、13日の自民・役員会、翌日の役員連絡会でも、各社の世論調査を集計したペーパーが配られ、党役員の中でも話題になったということだ。

 ある自民党幹部は「5月末のトランプ大統領の来日と6月のG20で選挙の宣伝には十分だ」と述べていて、安倍総理の露出が増えることもダブル選挙には好都合だと言う。また政府・与党関係者のごく一部からも、来月26日に会期末を迎える国会の会期を延長し、安倍総理が議長を務める大阪でのG20サミット終了後に衆議院を解散する。そしてその場合は、衆参ダブル選挙の投開票日は8月4日になる、とのシナリオもささやかれている。

 また4月末、安倍総理の私邸で麻生副総理が2人で会談したことも憶測に拍車をかける。麻生副総理は、総理時代、解散のタイミングを逃したことで、結果的に政権交代に繋がったことから、「勝てるタイミング」で衆議院を解散することを安倍総理にアドバイスしていると見られている。事実、前回の衆議院の解散のタイミングも、希望の党ブーム最中に行われ、結党準備や候補者調整が整う前の解散だった。

■依然として整わぬ野党

 今回はその野党の状況はどうか。

 萩生田氏の発言を受け、野党側は参議院選挙の1人区の野党候補者一本化だけではなく、衆議院選挙でも野党候補者の調整を行うことを決めた。参議院の候補者調整に関しては、一本化にむけカギを握る共産党が「一方的に候補者をおろさない」という従来の主張から、「互いに譲るべきは譲り、一方的な対応を求めることはしない」(志位委員長・第6回中央委員会総会)と軟化に転じたことで、急速に野党の一本化が進んでいる。

 しかし衆議院のほうは空白区が依然として多く、調整は思うように進んでいない。

 与党側からすると、野党の準備が進んでいない今が「勝てるタイミング」と見ることができるだろう。

萩生田発言の真相とくすぶる衆参ダブル選挙の憶測【3】 ⇒
■ 解散の大義に憲法改正!?
■ 大義なき解散に国民の理解は得られるのか

室井祐作

室井祐作(TBS政治部記者)

政治部・与党キャップ。2004年入社。映像取材部、外信部、バンコク特派員を経て政治部へ。これまで官邸クラブ、自民党クラブ、野党キャップを担当。特派員時代はアジアを中心に27か国を取材。