NEWSの深層

TBS NEWS

2019年5月21日

「あの朝のこと」 ~新たな「時代」と「ポスト安倍」の誕生の裏側(1)

[ TBS政治担当解説委員 石塚博久 ]

 その朝、国会記者会館での作業を終えて、首相官邸に向かうと警備の警察官が周囲を大勢で取り囲み、その中を敬礼を受けながら部下をつれた幹部と思しき警察官が「今のところは粛々だな。でも、とっさのことが起きるのが怖いよな」などと話ながら歩いていた。

 そして、首相官邸に入っていくと、エントランスまでの道になぜが、ポストがある。ここから送ると、消印はどうなんだろう、などと思いながら先に進む。そう、今日(4月1日は)は新しい元号が決まる日なのだ。

 新しい、時代。片山元総務大臣は、お祭り騒ぎではなく、新しい時代にしなければいけないことを5位からランキングして語った。

5位「科学技術立国を目指す」

「ノーベル賞でいいますとね、あのー、随分日本の科学者がノーベル賞を受賞して、とてもありがたい、うれしいことなんですけれども、あの、これからノーベル賞に、例えば結び付くような人たちって、今、若い人ですよね。で、その若い人たちの研究環境っていうのはすごく劣化している。

で、それは、まあさっきの論文の数が諸外国に比べてとても少ないっていうことにも表れていますけども、あの、大学、若い研究者なんかがですね、あのー、ま、いい環境に置かれてないんですね。といいますのは、だんだんだんだん、その、研究費なんかが、そのー、集中と選択という、ま、名前の下に、競争的資金というんですけども、こう、競い合って、ま、文科省なり、などからお金を引き出してくるという、こういう。で、結局ですね、その、補助金とおんなじようなことになるんですね。よく、あの、自治体が国から補助金もらって、ほんとにやりたいことではなくって、補助金をもらえることをやるという。

そういうふうな弊害があって、やっぱこれ、是正しなきゃいけないってのは従来からありますけれども、似たようなことがありまして。ほんとにやりたいことよりも、取りあえずもらえるもの。それでもらうためにやっぱりものすごいエネルギーを使うんですよね。で、ま、極端なこと言うと、もらうためにエネルギーを使ってしまって、ほんとの教育のほうに力が出ないという、そういうことになりかねないわけですよね。

それから、その若い研究者たちが、ま、身分保障といいますかね、やっぱり生活が安定をするということがほんとはないといけないと思うんですけども、競争的資金ってのは、まあ3年とかせいぜい5年とかの間の、そのー、非正規の研究職になりますので、とてもまあ不安定で、そちらのほうも次の手をやっぱ考えなきゃいけないので、ほんとのこの教育のほうに、ま、いまひとつ、こう、力が入らないようなことになっても困りますね」

石塚博久

石塚博久(TBS政治担当解説委員)

1986年、日本経済新聞社入社。大阪本社証券部、名古屋支社(愛知県警、名古屋市役所担当)を経て、90年から東京本社政治部。官邸クラブ(海部政権)、野党クラブ(社会党土井委員長、田辺委員長)、平河クラブ(自民党竹下派担当、92年竹下派分裂など)等を担当。
1996年TBS入社。政治部で新進党クラブ、平河クラブ(自民党橋本派担当)、外務省(田中真紀子外務大臣)等を担当。その後「筑紫哲也NEWS23」ディレクター、デスクを経て、「時事放談」を制作プロデューサーとして立ち上げ。現在、TBS報道局政治担当解説委員。
著作:「官僚」(共著)新聞協会賞受賞