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TBS NEWS

2019年5月20日

今週の数字「66億ドル(7300億円)」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 アメリカ政府は中国通信機器最大手のファーウエイとアメリカ企業の取引を事実上禁止することを決めました。66億ドル、日本円にして7300億円という額は、そのファーウエイが去年、日本企業から調達した部品や材料の総額です。要は、日本企業100社以上がファーウエイに1年で7300億円も買ってもらっているわけです。

 ファーウエイは巨大企業です。去年の売上高は日本円で12兆円、日本企業で売上が10兆円を超えるのはトヨタ、ホンダ、日産、NTTなど数えるほどです。スマートフォンの世界シェアでは、サムソンの次、アップルとほぼ並んでいます。この売り上げ12兆円のファーウエイは、世界中から7兆円の部品などを調達していて、そのうちの1割あまりが日本企業からということになります。

 もちろん今回、アメリカが輸出などの取引を直接禁止したのは、アメリカ企業が対象ですが、中には日本企業からファーウエイに販売される部材の一部にアメリカ製品が組み込まれているというものあって、これらの扱いがどうなるかは不透明です。何よりアメリカ政府がアメリカ企業に売るなと言っているものを日本企業がどんどん売るというのも、なかなか難しいのではないかという見方も出てきています。

 7300億円という売り上げが、この後、どうなっていくのか、当該企業にとってはもちろん大きな心配です。そして、アメリカが覇権争いを挑む中国の先端技術産業を、自陣営=アメリカを中心とする先進経済国圏から切り離す(ディカップリング)動きを、本気で続けるのだとしたら、一体何が起こるのかを見通すテストケースともなっています。

(BS-TBS「Bizスクエア」 5月19日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。