NEWSの深層

TBS NEWS

2019年4月29日

今週の数字「3.2%増」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 アメリカ商務省が26日発表した今年1-3月期のアメリカの実質GDP(国内総生産)は前期比、年率換算で3.2%増でした。10-12月期の2.2%増より加速し、トランプ政権が目標として掲げる3%成長を2期ぶりに上回りました。アメリカの潜在成長率は1%台後半と見られていますから、アメリカ経済は、大変好調な状態を維持しています。ただ内訳を見ると、輸出が3.7%増と大きく伸びたのに対して、輸入は国内需要の弱さからかマイナス3.7%、GDPの7割を占める個人消費は政府閉鎖の影響もあって1.2%の増加にとどまりました。民間設備投資は対中貿易摩擦の緩和傾向を背景に2.7%増と堅調、住宅投資は2.8%の減少でした。低調だった個人消費を背景に、在庫の積み増しが発生、それがGDPを実力以上に押し上げた効果もありました。その意味では景気の天井感も予感させるわけですが、それでも3.2%とは立派な数字です。

 昨年末には米中貿易摩擦の先鋭化もあってアメリカ景気の先行きを悲観する見方が広がり、株価も急落、FRBは利上げ停止に追い込まれたわけですが、ここに来て「心配するほどでもなかった」とムードが変り、アメリカの株価はナスダックやS&P500指数が史上最高値を更新しています。

 もっともリーマンショックの後から始まった今のアメリカの景気拡大局面はすでに10年目に入っていて、今後もアメリカ景気がいつ下向きに変わるのか、世界中が神経を尖らせることに変りはなさそうです。

(BS-TBS「Bizスクエア」 4月28日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。