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TBS NEWS

2019年1月31日

自民・二階派入会も茨の道 細野議員

[ TBS政治部記者 後藤俊広 ]

 今週、細野元環境大臣が自民党二階派に入会するというニュースが永田町を駆け巡りました。

 二階幹事長とその周辺が細野氏と密かに折衝しているという情報は、だいぶ前から広まっていました。

 かつての中国の最高指導者・鄧小平氏よろしく“与党でも野党でも選挙に強い政治家は良い政治家”的発想で無所属、野党議員を次々と自派に引き込む二階幹事長の執念もさることながら、細野氏の今後の身の振り方にも関心が及びます。

 もちろん二階派入会=自民党入党というわけではなく、しばらくは無所属議員のままですが、一般的には“自民に鞍替え”と見られるのは必定です。

 細野氏の経歴を見ると民主党政権で若手のホープとして総理補佐官、原子力担当大臣、環境大臣などを歴任。民主党の政権転落後は“党の顔”として幹事長を務めます。また17年の総選挙では小池都知事らと組んで希望の党を立ち上げ、安倍自公連立政権に挑みました。

 およそ20年におよぶ細野氏の政治家人生は一貫して自公政権と戦い、非自民政権の樹立を目指すものでした。その細野氏が自民党の有力派閥に入る意味とは?正直、疑問を抱きます。政治家として何をこれからやりたいのか。

 確かに野党・無所属から自民党入りする議員は多数出ています。(その多くは二階派に入っています)しかし、党首クラスが自民入りするとなれば、極めて異例のことです。

 特に細野氏は1年と少し前、小池知事や、前原民進党代表(当時)等と組んで自公相手に大勝負を仕掛けた中心人物です。

 いわば乾坤一擲の関ヶ原の戦いで東軍徳川家康に敗れた西軍の中心人物・石田三成というのが、細野氏の政治的立ち位置なはずです。

 石田三成といえば、細野氏が育ち、青春時代を過ごした滋賀県の彦根市周辺を治めた安土桃山時代の武将で、豊臣秀吉の最側近です。関ヶ原の敗北で三成は命を落としましたが、仮に命長らえたとして、三成が家康の軍門に下って臣下になることはあったのか?歴史好きからすれば、余り想像したくない結末です。

 細野氏の二階派入りに関して、既に自民党内では選挙区が競合する候補者を抱える岸田派などを中心に反発が強まっていますが、それ以上に世論は厳しい見方をするでしょう。

 なぜ、あたかも“西軍”から“東軍”に立ち位置を変えてまで政治活動を続けるのか、有権者や世論に対して明確な説明が求められます。自民党の入党するしないに関わらず、細野氏はしばし茨の道を進むことになるでしょう。

後藤俊広

後藤俊広(TBS政治部記者)

政治部官邸キャップ。小泉純一郎政権から政治取材に携わる。
プロ野球中日ドラゴンズのファン。健康管理の目的から、月100キロを課すジョギングが日課。