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TBS NEWS

2019年1月9日

“苦い教訓”どう活かす 参院選

[ TBS政治部記者 後藤俊広 ]

2019年、今年は政治日程が目白押しです。5月に予定される皇位継承以外にも以下のような日程があげられます。

1月下旬 日ロ首脳会談
4月 統一地方選挙
6月 大阪で開かれるG20首脳会合
7月 参議院選挙
10月 消費税率引き上げ(予定)

この中で注目したいのは参議院選挙です。

平成の30年間を振り返っても政権与党は参院選で何度も苦杯をなめてきました。

■平成元年(89年)
 自民36議席:野党90議席 → 宇野内閣退陣
■平成10年(98年)
 自民44議席:野党82議席 → 橋本内閣退陣
■平成19年(07年)
 与党46議席(自民37・公明9):野党ほか75議席 → 第1次安倍内閣退陣

参院選は政権与党にとってまさに“鬼門”です。次の政権を選ぶ衆院選とは違うという意識が有権者に浸透しているのか、参院選挙は比較的、政権への“批判票”を集めやすい環境にあります。そして12年前、参院選の大敗をきっかけに政権を手放さざるを得なくなったのが安倍総理です。その“苦い教訓”を踏まえ、参院選をどう乗り切るか安倍総理は真剣に考えているでしょう。

「衆院を解散してダブル選に持ち込めば野党共闘を分断できる」

ある与党議員はこう語ります。

しかし衆院を解散した場合、別のリスクが生じます。自民党が獲得している282の衆院の現有議席を維持できるかという点です。

2017年秋の衆院選挙はご承知の通り、東京都小池知事率いる「希望の党」と前原代表率いる「民進党」の合流構想が頓挫し、野党が分裂した状態で選挙に臨んだ結果、与党が大勝したという経緯があります。“敵失”による勝利と言えます。

しかし今回、安倍総理がダブル選を仕掛けたとして、野党が同じ轍を踏むかどうか分かりません。むしろ野党側が“苦い経験”を活かし、衆院でも一本化を進めることも十分考えられます。

安倍総理が最も恐れるシナリオは、参院選もしくは衆・参ダブル選挙で、大敗はいかなくても議席を一定数減らした場合に予想される与党内での“反安倍”の動きでしょう。

党の規定で次の総裁選には出馬することができない安倍総理。時間の経緯につれて徐々に“レームダック化”が進む中、選挙での議席減は致命傷になりかねません。

「参議院選挙にあわせて、衆議院選挙を行うのではないのか、というご質問であります。そういう声が一部にある、ということは承知をしておりますが、私自身の頭には、片隅にもないわけであります」(安倍首相、1月4日 年頭会見)

ダブル選は「頭の片隅にもない」と否定する安倍総理ですが、選挙ギリギリまで何が議席を減らさない最善の方法か思案に暮れるのではないでしょうか。そういった意味では、夏の参院選はともに“苦い経験”を持つ安倍総理と野党各党の知恵比べとなりそうな予感がします。

後藤俊広

後藤俊広(TBS政治部記者)

政治部官邸キャップ。小泉純一郎政権から政治取材に携わる。
プロ野球中日ドラゴンズのファン。健康管理の目的から、月100キロを課すジョギングが日課。