NEWSの深層

TBS NEWS

2018年12月24日

今週の数字「▲6.86%」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 アメリカの中央銀行であるFRBが市場との対話に失敗し、株価が急落しています。ニューヨーク株式市場のダウ平均株価は、21日までの1週間で1655ドル、率にして6.86%も下落しました。1週間の下落率としては、未曾有の危機と言われた2008年10月のリーマンショック後以来、最大の下げ率です。直近の10月初旬の高値から16%以上も下げていて、ハイテク株が多いナスダックにいたっては下げ率が20%を超え、アメリカ株はまさに本格的な調整局面に入りました。

 こうした中、一部通信社はトランプ大統領がFRBのパウエル議長の解任を議論していると伝えました。行政の長が独立している中央銀行総裁を解任とはなんとも物騒な話ですが、20日に行われた利上げをめぐってFRBが市場との対話に失敗したことは明らかで、事前に異例にも、利上げ停止を社説で求めたウオールストリートジャーナル紙は「市場が握りこぶしを返した」と皮肉っています。

 今のアメリカ経済の状況を一言で言えば、「足もとの景気は良い。しかし米中経済戦争の影響や景気の天井感で先行きに不安材料が多い」、ということに集約されます。FRBが前者に重心を置いて利上げ路線を進んでいるのに対し、市場は後者に力点を置いてすでに大きく崩れているのです。中央銀行への不信感がいったん高まると解消は容易ではありません。そこにトランプ大統領の口先介入が繰り返されるとなるとなおさらです。来年は大波乱の予感です。

(BS-TBS「Bizスクエア」 12月23日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。