NEWSの深層

TBS NEWS

2018年12月17日

今週の数字「+19」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 日銀が14日に発表した12月の短観の大企業製造業の景況感を示す指数は、+19と前の期と同じで、4期ぶりに下げ止まりました。日銀短観というのは、1万社以上を対象に足元の景況感を聞く調査で、「良い」という企業数から「悪い」という企業数を引いた数が指数となります。この指数、今年3月、6月、9月と3期連続悪化していましたが、今回は、ようやく横這いに持ちこたえたというわけです。

 しかし、内容を見てみると喜んでばかりもいられません。そもそも前回の9月短観は、夏の豪雨や地震の影響で極端に景況感が悪化、その後は公共事業が動き出し、インバウンドも回復しているので、本来なら景況感の回復は当然のことなのです。また高騰していた原油が安値に転じたので、石油関連など素材関連は大幅に景況感が改善しています。それでも全体で横這いにとどまったのは、日本経済の主力選手である生産用機械、業務用機械、自動車などが悪化したからに他なりません。その理由は、もちろん米中対立の深刻化と世界経済のピークアウトを見越した先行き不安です。

 その証拠に、先行き指数は、大企業製造業で「+15」と4ポイントの悪化を見込んでいて、今回の横這いは決して反転の序章とは言えそうにないのです。むしろ、先行き不安から、現在は強気の設備投資が抑えることになると、下げ幅が拡大するリスクも予想されます。アベノミクスを起点とする今の景気拡大局面は、期間の長さでは、高度成長期の「いざなぎ景気」を超えましたが、来年はいよいよ微妙な局面に入ってきそうです。

(BS-TBS「Bizスクエア」 12月16日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。