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TBS NEWS

2018年12月10日

今週の数字「4500円」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 政府与党は、7日、来年10月の消費増税以降、自動車税を最大4500円引き下げるなどする自動車関連税制の見直し案をまとめました。自動車税は自動車の保有者に毎年課せられている地方税で、例えば排気量1000CC以下の場合は、今の年2万9500円が2万5000円に、1500CC以下なら、3万4500円が3万500円に、2000CC以下なら3万9500円が3万6000円に、それぞれ引き下げられます。もっとも自動車税が下がるのは来年10月以降に購入した自動車についてのみで、現在保有している自動車については全く変りません。保有に対して課せられる税金なのに購入時期によって税額が異なるというのは腑に落ちないという方も多いと思います。

 そもそも今回の議論は、消費税引き上げの反動を減らすためというところからスタートしましたが、自動車については言えば、自動車取得税(今後は環境性能割に変更)、自動車重量税、自動車税、さらには燃料にかかる税金と、あまりに税負担が重いとして、自動車業界が税負担軽減を強く求めたことから、このように反動減対策と恒久減税が組み合わさった、わかりにくい結論になりました。

 自動車は道路整備を必要としたり、環境に負荷をかけることから、税金の負担がある程度重くなるのは仕方ないものの、かつてのようにぜいたく品ではなくなっている上、一方で若者の車離れも進んでいて、このまま重い税負担を続けていては、日本の唯一の「勝ち組」産業を弱らせることになりはしないか、と懸念する声は業界に留まらず広がってきています。その結果が、この「最大4500円減額」でした。

 ただ今回の見直しは、額が小さいだけでなく、税体系はそのままです。電気自動車が普及する時代に排気量で区切る自動車税の区分に意味がなくなることは目に見えており、今回の改正は、今後の大きな見直しに向けた第一歩に過ぎないと言えるでしょう。

(BS-TBS「Bizスクエア」 12月9日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。