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TBS NEWS

2018年11月26日

今週の数字「2800万人」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 2025年の万博・万国博覧会の開催地が大阪に決まりました。およそ半年の期間中に大阪湾の埋立地である夢洲(ゆめしま)にできる会場を訪れる人は2800万人と予想され、2兆円以上の経済効果が見込まれています。2020年の東京オリンピックから5年後ということで、景気への持続的な刺激効果や、広い関西地域へのインフラ投資なども期待されます。何より、人口減少という国内市場縮小への懸念を「気」の面で多少和らげてくれるという効果も大きいと思われます。

 1970年に開かれた前回の大阪万博は、東京オリンピック(1964年)に続く6年後のことでした。前回の来場者数は、同じおよそ半年で、なんと6421万人。当初の予想は3000万人でしたが、途中で5000万人に上方修正され、結果はそれさえ大きく上回りました。単純平均で1日平均で35万人が訪れ、最高は1日83万6000人と、まさに人が押し寄せた「熱狂のイベント」でした。3時間並んでアメリカ館で「月の石」を観た、という方も多いのではないでしょうか。ただ万博を訪れた外国人は、6421万人のうちわずか170万人で、年間2000万人以上の外国人観光客が訪れる今とは光景が随分、違いますね。

 外国人の数だけではなく、高度経済成長の絶頂期に行われた1970年の万博と、開催が決まった2025年の万博が全く違うものになるのは当然のことです。半世紀を経て、世界の先頭を切って成熟経済の域に達した日本が、次の大阪万博でどのようなメッセージを発するのかは、この時代を生きる一人ひとりの今日的な課題とも重なっています。

(BS-TBS「Bizスクエア」 11月25日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。