NEWSの深層

TBS NEWS

2018年11月19日

今週の数字「-1.2%」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 14日発表された今年7-9月期の日本の実質GDPは、前期比、年率換算で1.2%の減少となり、2四半期ぶりにマイナス成長となりました。西日本豪雨や台風、北海道地震などの自然災害が相次ぎ、影響が多方面に及びました。なかでも輸出は、生産、物流の停滞に加え、関西空港の“水没”もあって、前期比マイナス1.8%と大きく足を引っ張りました。インバウンド消費の減少も、統計上は、この輸出にカウントされています。GDPの6割を占める個人消費は0.1%のマイナス、好調が続いていた設備投資も0.2%のマイナスと、「いいところなし」の内容でした。

 気になるのは、これらのマイナスが、本当に自然災害に伴う一時的なものかどうかです。比率はわかりませんが、輸出のうちの何割かは、貿易戦争を受けた中国景気の停滞やアメリカの利上げによる新興国の減速など、海外需要の減退にともなうものでしょう。日本の消費も夏の野菜価格高騰などで家計の実質所得が目減りしたことが響いたと見られており、生活防衛的な消費抑制マインドが一段とみてとれますし、設備投資にも米中貿易戦争への警戒感から慎重になりつつある企業心理が垣間見えます。自然災害の影響ばかりとは言えない要素がいくつもあるのです。

 前期(4-6月期)が3.0%と高成長していることもあって、直ちに日本経済の先行きを心配するような状況ではありませんが、それでも、後から振り返れば、景気の勢いが落ち始めたのは「この頃だった」ということになりはしないか、景気の先行きは、微妙な局面に入ってきたように思えます。

(BS-TBS「Bizスクエア」 11月18日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。