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TBS NEWS

2018年11月12日

今週の数字「2兆3000億円」

[ TBS報道局編集主幹 播摩卓士 ]

 トヨタ自動車が6日、中間決算にあわせて、2019年3月期の連結純利益が2兆3000億円になる見通しだと発表しました。これは、従来の予想である2兆1200億円から上方修正したもので、株式市場には安堵感が広がりました。この利益額、アメリカの法人税減税という特殊要因があった昨年度よりは8%減となるものの、過去3番目に高い利益水準です。想定よりも円安が進んだことや中国、アジアの販売が好調だったことが業績予想の上方修正につながりました。市場が安堵したというのは、もともと「上期は大丈夫でも下期はどうか」という心配があったためで、通期の上方修正によって「下期もそこそこ行けそうだ」と市場はホッとしたわけです。

 実際、先行きにはいくつも不透明要因があります。鉄鋼などの資材価格は値上がりしていますし、稼ぎ頭だったアメリカ市場では金利高騰の影響もあって売れ行きが鈍ってきています。その上、好調な中国市場も米中貿易戦争の影響でいつ消費マインドが急速に冷え込むか心配な状況です。アメリカと中国は世界の自動車の2大市場だけに、米中対立はまさに「視界を妨げる暗雲」となっています。

 その上、今後の日米2国間協議でアメリカからどんな圧力がかかるかもわかりません。「安堵感」もほどほどというのが中間決算の実状なのです。日本を代表する企業の決算には、日本経済全体が直面しているリスクがそのまま映し出されています。

(BS-TBS「Bizスクエア」 11月11日放送)
播摩卓士

播摩卓士(TBS報道局編集主幹)

1984年入社 報道局で経済全般、日米関係、国際政治などを取材。夕方のニュース番組やNEWS23編集長、経済部長、ワシントン支局長、NEWS23キャスターなどを経て、現在、BS-TBS「Bizスクエア(日曜午後9時)」キャスター。