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9月20日
集団感染のラーメン店、店主の苦悩

栃木県の温泉街で、今年7月に新型コロナの集団感染が起きたラーメン店が営業を再開しました。そこには観光地ならではの苦悩がありました。

栃木県・鬼怒川の温泉街にあるラーメン店。店主の鬼怒川太朗さん(73)は、地元では知られた演歌歌手でもあります。しかしその店は、休業を余儀なくされていました。原因は店で起きた集団感染です。

「日光市における飲食店従業員クラスターですが、関連の方含めて10名の感染者を確認しております」(栃木県・福田富一知事〔7月27日〕)

今年7月、鬼怒川さんは新型コロナに感染しました。感染経路は不明ですが、東京から来た友人らとスナックで会食したことが原因と考えています。さらにその後、感染は店の従業員とその家族など13人に広がりました。

「よそ事というか、東京のことじゃないのと思っていた。隔離していれば、クラスターになっていなかったかもしれない。その辺の行動の軽率さが今になって悔やまれる」(鬼怒川太朗さん)

店は、公式ツイッターで感染の事実を公表しました。決めたのは鬼怒川さんの娘。批判は覚悟の上でした。しかし、反応は予想を超えていました。

「鬼怒川太朗の店に行くからコロナになるんだよ」(ツイッターより)

「謝罪の言葉はないのですか?」(ツイッターより)

「父は結構、楽天家で、あまり落ち込む人ではなかったんですけど、今回は『コロナで眠れない』だとか、『悔しい』とか、『俺鬼怒川温泉のために頑張ってきたのに』って」(鬼怒川さんの娘)

地元のイベントや老人ホームなどをまわり演歌を披露してきた鬼怒川さん。「大切な地元に迷惑を掛けた」、そんな思いに苛まれました。

「個人的にご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」(鬼怒川太朗さん)

イタリア料理店でシェフを務める井波さんは、実際に街は大きな衝撃を受けたと話します。

「鬼怒川の観光を楽しんでいただくことがこの街の収入源だし、自粛ということになるとここはほとんど閉鎖状態になるわけです」(井波さん)

ただ、同じ飲食業の仲間として「鬼怒川さんには立ち直って欲しい」と考えていました。

「謝るような話ではない。太朗さんの鬼怒川温泉への貢献度は大きいですから、やっぱり活躍していただきたい」(井波さん)

鬼怒川さんのもとには、応援の声も届きました。

「太朗さん頑張ってください、俺も頑張るからって」(鬼怒川太朗さん)

そして18日。鬼怒川さんは2か月ぶりに店を再開させました。

「再出発するんだから、十分に感染対策とお客様と距離は作りながらも、心だけはね・・・」(鬼怒川太朗さん)

店にはかつての常連客や地元の友人らが多数駆けつけました。今も観光客の減少に苦しむ温泉街。コロナに負けず活気づけたい。そう鬼怒川さんは考えています。

「仕事ができる喜びですね。人生これから。そんな気持ちの鬼怒川温泉にしたい。紅葉シーズンに向かって来ていただけたらバンザーイです」(鬼怒川太朗さん)


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