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7月20日
新型コロナ「新薬」開発現場の最前線、重症化引き起こす“免疫の暴走”防げ

今も有効な治療法が確立していない新型コロナウイルス。第2波の襲来が現実的になるなか、「重症化を防ぐ」として注目される新薬の開発が進んでいます。その現場に初めてカメラが入りました。

都内にある大手製薬会社の研究施設。厳重に管理された部屋の中で進められているのが、新型コロナの「重症化を防ぐ“新薬”」の開発です。

新型コロナ感染症の特徴の一つは、急激な症状の悪化。この患者、入院時は軽症でしたが、8日後に容体が急変。人工心肺「ECMO」を装着しなければならないまでに重症化したといいます。

患者の肺のCT画像です。正常な状態を示す黒色が多かった肺は、10日あまりで真っ白になってしまいました。一体、何が起きたのでしょうか。

「過剰に産生されたサイトカインが肺のダメージをさらに助長した可能性が考えられます。いわゆる“サイトカインストーム”です」(前橋赤十字病院 高度救命救急センター 鈴木裕之医師)

一般的に体内でウイルス感染が起きると、細胞は「サイトカイン」というタンパク質を出し、「免疫細胞」を呼び寄せます。この免疫細胞が感染した細胞を攻撃することで、細胞ごとウイルスを死滅させます。

ところが、このサイトカインが働きすぎると、免疫細胞も過剰になり、全身の正常な細胞まで攻撃してしまうのです。これが免疫システムの暴走=「サイトカインストーム」です。

「重症化した患者は、そのようなこと(サイトカインストーム)が程度の差こそあれ、起きているのではないかと。現時点では、確立した治療というのはない。そっと嵐が過ぎるのを待つ。それしかないのかなと思う」(前橋赤十字病院 高度救命救急センター 鈴木裕之医師)

大手製薬会社ロートが研究を進める「新薬」は、この「サイトカインストーム」を抑えるためのもの。

「これが“間葉系幹細胞”になります」(ロート製薬 再生医療研究企画部 高尾幸成マネージャー)

モニターに映っている無数の粒。人間の脂肪から抽出された「間葉系幹細胞」という細胞が、まさにその“新薬”になります。

「細胞そのものを点滴で血管の中に入れていきます。そうすると、細胞が体中を巡ります」(ロート製薬 再生医療研究企画部 高尾幸成マネージャー)

アメリカで行われた研究では、骨髄からつくった「間葉系幹細胞」の投与で、「重症患者12人のうち9人が10日以内に人工呼吸器を外すことができ、その後、退院した」との結果が出ているといいます。

もう一つ、大きなメリットが。実は、「この新薬」は別の治療目的で7年前から開発が進められていて、すでに人に投与した場合の安全性のデータが蓄積されているといいます。

「ウイルス自体を減らすという目的で、投与するわけではありません。免疫細胞が増えるというところを抑制・増やさないようにするというのが、間葉系幹細胞の機能としてわかっております」(ロート製薬 再生医療研究企画部 高尾幸成マネージャー)

この新薬の新型コロナへの臨床試験は、重症患者を対象に、来月始まる予定です。


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