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5月14日
【現場から、新型コロナ危機】命のリスクも 登山自粛のなぜ

春山シーズンを迎えた長野県の北アルプスなどで、「登山」の自粛が呼びかけられています。自粛要請には、登山ならではのリスクが潜んでいました。

今月9日、例年なら多くの登山者でにぎわう北アルプス・燕岳の登山口を訪れると…。そこに登山者はおらず、看板には「自粛」の文字が並びます。年間120万人が訪れる、上高地でも…

「上高地の人気スポット、河童橋にも人の姿はありません。川の流れる音と鳥のさえずりだけが静かに響いています」(記者)

先月末の開山祭は中止となり、飲食店や宿泊施設などが全て休業しました。さらに、北アルプス一帯の25の山小屋は、7月14日まで営業を自粛することになりました。

「感染の拡大を防がなければいけない。まずは人命優先」(北アルプス山小屋友交会 山田直会長)

緊急事態宣言を受け、県などが呼びかけた登山の自粛。国際山岳医で登山ガイドの千島康稔さんは、登山中の発症は重症化のリスクが高いと指摘します。

「標高が高い所に行けば、それだけで酸素の割合が低くなる。標高3000メートルまで行けば、平地の7割ぐらいの気圧になるので、その分、呼吸器の病気というのは余計に悪化しやすい」(国際山岳医・登山ガイド 千島康稔さん)

さらに、登山中の発症は個人だけの問題ではないと、警鐘を鳴らします。

「万が一、県警のヘリのパイロットやメンバーが感染した時に、その次の活動ができなくなる。社会的に非常に大きな影響を与える」(国際山岳医・登山ガイド 千島康稔さん)

実際に、その一歩手前という遭難も起きています。先月、八ヶ岳連峰の阿弥陀岳で東京の30代の男性が滑落し、長野県警のヘリで救助。搬送後に新型コロナ感染が疑われる症状が見つかり、救助隊員などおよそ10人が一時自宅待機する事態となりました。結局、男性は陰性でしたが、そのほかの救助活動に影響を及ぼす可能性もありました。

こうした状況に、登山をより楽しみたいと、去年、長野県に移住してきた女性は…

「山は逃げないので、それよりも人の命にかかわってくるというか、迷惑かけるということが(心配)。今は我慢かなと」(去年 長野県に移住 古澤雅子さん)

自粛の呼びかけで例年より入山者が少ない状況は続いていますが、引き続き、登山者ひとりひとりの冷静な判断が求められています。


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