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5月10日
【現場から、新型コロナ危機】演劇の灯を絶やさない

いま、この国の演劇文化が存続の危機に直面しています。劇場での公演ができず、俳優たちは演劇の新しい可能性を見つけようとしています。

俳優が向かい合うのは、人ではなくタブレット端末、場所は劇場ではなく自分の部屋です。静岡市を拠点に活動する劇団SPAC(スパック)の俳優たちは、オンラインで稽古を続けています。

「やりづらい。稽古場は俳優が一堂に会して肉弾相打ち、飛沫飛び交う世界。いつのまにかタブーになっちゃった」(SPAC俳優・奥野晃士さん)

劇団SPACはこれまで、いくつもの舞台芸術作品を生み出してきました。今年は、世界各国から劇団が集まる演劇祭も中止となりました。

「森に囲まれた中に劇場がある。(演劇は)目の前に客がいるのが前提の芸術。その大前提が根底から覆されている。演劇が存続しうるのか、そういうところに来ている」(SPAC俳優・奥野晃士さん)

「文化は人間が人間らしく生きるためのゆとりのような部分。生活の中で彩りや味わいに関わる。絶対に手放してはいけない」(早稲田大学文学学術院・藤井慎太郎教授)

奥野さんは、海外の俳優に声をかけてリレー朗読を企画しました。

「私たちは身体的な距離は保たなければいけないが、インターネットなどを使って心はより近づく。お互い幸せを感じる新しい経験」(ドイツ在住の俳優)

「こういう危機的なときに日本人の心に響く詩は『雨ニモマケズ』。苦難に直面したときに、どう我々が立ち向かっていくか。あきらめずにとことんやりぬく覚悟だけでも感じてもらいたい」(SPAC俳優・奥野晃士さん)

演劇文化の灯を絶やさない。奥野さんたちはすでに前を向いています。


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