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2021年5月17日
環境に優しい「3Dプリント住宅」とは

アメリカ・カリフォルニア州で今、注目の「3Dプリント住宅」。環境に優しい、その技術とは?

環境に優しいと、今、注目を集める住宅。モデルルームはロサンゼルスにありました。広さは30平方メートル。この壁や天井のほとんどが、3Dプリンターで作られているのです。トイレやシャワーも備えられていて、値段は日本円で2000万円ほど。

「壁の内側に3Dプリントされた素材があります。壁全体に使われていて、24時間もかからずにプリントすることができます」(マイティ・ビルディングス ケンブリア・フォーデンさん)

なぜ、環境に優しいのか。サンフランシスコ近郊にある工場を訪ねました。稼働していたのは、巨大な3Dプリンター。壁に使うパーツを2つ同時に作っていきます。

「3Dプリンターに供給されている材料はこの缶の中に入っています。すくってみますと、このようにかなりドロドロとしています」(記者)

この素材、紫外線を当てると分子が変化し、瞬時に固まるという特殊なもの。曲線や空洞のある構造も正確に作ることができ、高さおよそ1.2メートルの壁材が6時間ほどで完成しました。固まるとコンクリートより軽く、衝撃に強いといいます。

「平均で約2.7トンの建築廃棄物を減らすことができます」(マイティ・ビルディングス サム・ルベン共同創業者)

また、無駄な廃材が出ないため、同じサイズの木造住宅と比べて建築廃棄物を9割以上、二酸化炭素の排出を2トンから3トン削減することができるといいます。技術的には、骨組みなどを除く全工程の8割を3Dプリンターで作ることもでき、工場で生産することで資材などの輸送費や人件費を抑え、割安での住宅販売も可能なのです。

「二酸化炭素の11%は建築産業、28%は住宅から排出されています。気候変動の問題に対処しながら(高騰する)住宅供給問題も解決したいのです」(マイティ・ビルディングス サム・ルベン共同創業者)

来年には、ロサンゼルス近郊にこうした「3Dプリント住宅」の“町”が作られる計画です。電気は、すべて太陽光発電でまかなわれることもあって、環境問題に関心がある人を中心に注文が殺到、キャンセル待ちは800人となっています。

「コンセプトが素晴らしいです。太陽光で電気を自給することができるのである種の“未来”ですね」(購入した人)

早くて、安くて、環境にも優しい。そんな住宅を供給できる3Dプリンターの存在感は、ますます大きくなっていきそうです。