現場から、SDGs 2030年の世界へ

2021年5月3日
少子高齢化問題に直面する中国、IT駆使の新たな介護とは?

今回は、若い人が少なくなる中国で、高齢者同士がITを使って助け、支えあうという、新たなサービスを紹介します。

「中朝国境の街・丹東に来ています。こちらご覧ください、広場では高齢者たちが元気よくダンスをしています」(記者)

抱き合ってステップをふむ人々。いま中国では、長年続いた1人っ子政策によって少子高齢化が加速し、各地で60歳以上の高齢者が急速に増えているのです。習近平指導部も介護事業に力を入れ始めています。

「中国の高齢者は、すでに2億6000万人に達しており、(介護は)今後、急成長が見込める産業と言えます」(中国 李克強首相〔3月〕)

60歳以上が人口の24%を超える天津。いま最も増えているのが、自宅から通う日本のデイサービスのような場所です。高齢者に格安でヘルシーな食事を提供したり、スマートフォンの使い方の指導も行っています。ところが…

「旦那は体が動かず、私も転んでけがをした後、歩きにくくなりました」(団地の高齢者)

このように自宅からの外出が難しい高齢者も多く、そうした人をケアする人手が不足しているといいます。そこで、天津市が民間企業と協力してITを活用した新たなサービスを始めました。「手助けが必要な高齢者と人助けをしたい高齢者のマッチング」です。その仕組みですが、まず、食事の配達を希望する高齢者たちは、企業が開発したアプリを通じて注文をします。そして、人助けをしたい高齢者はアプリ上で注文を確認し、どの仕事を引き受けるか選択します。

「ここは人手が足りなくて、自分も昼時は暇なので始めました」(王さん)

決められた時間になったら、自分が引き受けた分を注文した高齢者のもとに届けます。完了したら相手の顔写真を撮影し、アプリを通じて報告をします。ボランティアをした高齢者にはアプリ上でポイントが付与され、これを貯めれば、お米のような商品の購入やデイサービスセンターが提供する食事に使うことができるのです。また、将来的に手助けが必要になった際に、介護サービスを受けるためにも使用することができます。

「中国の介護事業は、助け合い介護になります。60歳の定年後は年上の高齢者を助け、自分が年をとったら自分より若い高齢者に助けてもらうことになります」(サービスを提供する中民聚康 展恒波総経理)

来年には人口の減少が始まる可能性があるとの見通しが出る中、4年後には60歳以上が3億人を超えると予想されている中国。高齢者同士がITを駆使して助け合う仕組みが、解決策の一つになるかもしれません。