捨てられるはずのダンボールから次々と生み出されるアート作品。ありふれたダンボールで世の中を変えたい。そんな思いを抱く男性の取り組みです。
「かわいいダンボールがゲットできました」(儀間朝龍さん)
那覇市の市場でダンボールを物色する男性。買い物ついでに手に入れるのは仕事で使う材料です。
「(市場は)絵の具が落ちているようなもの。それを拾いに行っている感じ」(儀間朝龍さん)
拾ったダンボールから生み出されるのは、有名企業のロゴが入った看板やマスコット、スニーカーなどのアート作品です。
「最近、評価得ているのがスニーカーなんですけど、例えばこれは、これを作った」(儀間朝龍さん)
儀間朝龍さんは、捨てられるはずだったダンボールを次々とアート作品に変えていく、人呼んで「ダンボールアーティスト」です。
「ファッションの世界の古着とか、ビンテージとか、アンティークとか、そういうモノとか、素材に何か惹かれるものがあって、同時に廃材、捨てられるゴミとかを使って作品にしている方を見ると、なんかいいなと思っていて」(“ダンボールアーティスト”儀間朝龍さん)
濡れたダンボールは簡単にはがすことができ、乾かすと1枚の紙として再利用できることに気づいたのがきっかけで、ダンボールアートを始めました。
儀間さんは、自らのアイデアから生み出された作品に「rubodan(ルボダーン)」という名前を付け、アート作品だけでなく、福祉作業所の協力を得て、ノートなどの商品を生産する取り組みを進めています。
「これが誰かの仕事になって、商品になると、例えば、自分だけが使うのではなく、色々な人がマネしてくれたりして、アイデアがシェアされていくんじゃないかなと思いました」(“ダンボールアーティスト”儀間朝龍さん)
実際にダンボールから紙を作る工程を見せてもらいました。水につけて5分ほどで簡単にはがすことが出来るようになります。これを乾かすと、材料となる紙の出来上がりです。ダンボールから生み出された作品は、海外からも注目を集めていて、今は香港で開催予定の展示会に出品する作品を制作しています。
「貧困地域の子どもたちが、ダンボールをもってきて、似たような商品を作って、そこに来た観光客にお土産としてという提案ができるかもしれないし、アイディアを守るというよりも広めていったほうが、いいことの連鎖は続くんじゃないか」(“ダンボールアーティスト”儀間朝龍さん)
捨てられるはずだったダンボールから生み出された新たな商品。商品を作るために生み出される新たな雇用。「ルボダーン」が世界共通語となるまで、儀間さんの挑戦は続きます。