現場から、SDGs 2030年の世界へ

2021年1月17日【TBSテレビ】
今度はバゲット、進化するコオロギ食

今回はコオロギです。製パン大手の「Pasco」が、去年12月に初めて新たなタンパク源として注目されるコオロギのパウダーを使ったバゲットを販売しました。

「超熟」シリーズなどで知られるPasco。このたびそのPascoが出したのは、コオロギを使った製品です。ここで作っているのは、コオロギのバゲット。先月、数量限定でオンライン販売され、翌日には完売しました。昆虫食の製品開発に乗り出すのは、製パン業界ではPascoが初めてです。

担当した加藤さんは…。

「2050年の人口が増える、タンパク質が簡単に取れなくなる。今のうちにみんなで食べられるようにしておかないと、本当にこういう時代が来たら大変だな」(「敷島製パン」パン研究開発グループ・加藤信介マネージャー)

近い将来、家畜の飼料となる穀物などの供給が追いつかず、世界的なタンパク質不足が起きる、と言われ、解決策のひとつとして注目されるのが昆虫食、特にコオロギなのです。「外見が苦手」という声をふまえ、加藤さんはパンに合うコオロギパウダーを入手し、生地に混ぜ込みました。1本にコオロギ100匹が入っているとはわかりません。

製品100グラムあたりでタンパク質の含有量を比較すると、国産小麦のミニバゲット全粒粉入りは8.9グラム、それに対しコオロギバゲットは12.2グラム、と1.37倍。コオロギのうまみが引き立つよう、15時間ほど低温発酵させています。

「僕たち製パンメーカーが自分の手で作るのってそうない」(加藤信介マネージャー)

通常の製品は工場で大量生産されていますが、コオロギバゲットは本社の開発室で手作りされています。

「道具とか、全部専用にしないといけなかった」(加藤信介マネージャー)

工場生産できない理由は、アレルギーの問題。エビやカニなど甲殻類に含まれるアレルギーを引き起こす成分と似た成分がコオロギに含まれる、と言われているため、工場だとほかの製品に混入するおそれがあるのです。こうしているうちに、コオロギバゲットが焼きあがりました。気になるお味は…。

「コオロギの、香ばしいというのは少し分かるんですけど、実際に味も匂いもコオロギっていう感じは全然しません。おいしいです」(遠藤弥生記者)

Pascoではコオロギのフィナンシェも開発。こちらも10匹分、30匹分の2種類が楽しめます。コオロギバゲットとフィナンシェは18日、再びオンラインで発売されます。

「未来にどんな食べ物があるか分からないし、それを作っていくのを楽しみながらやっている反面、世界的に起きる問題にどう真剣に取り組むか、それをお客様にどう考えてもらえるか」(加藤信介マネージャー)

「こちらのフィナンシェ、私もいただきました。コオロギ30匹分のコオロギパウダーが入ったフィナンシェで、たんぱく質4.1gで、通常のフィナンシェと比べると1.6倍たんぱく質がとれるということです。気になるお味ですが、ほのかな甘みがあって、最後にエビの尻尾のような香ばしさと、きなこのような風味が鼻に抜ける感じでした。あまり抵抗なく食べられました」(宇賀神メグアナウンサー)