現場から、SDGs 2030年の世界へ

2020年11月29日【TBSテレビ】
【SDGsプロジェクト】フードバンクが救うコロナ禍の生活苦

新型コロナの感染拡大で、いま、生活に困窮する人が急増しています。食料を必要とする人に届ける「フードバンク」の活動から厳しい現状が見えてきました。

東京・日野市の「フードバンクTAMA」。事務所では、ボランティアが食料の仕分け作業を行っていました。加工食品やお菓子など、そのほとんどが企業などから寄付されたものです。

「ギョーザは大人気です。すぐなくなります」(「フードバンクTAMA」芝田晴一朗さん)

不要となった食料を必要とする人に届けるフードバンクの活動。新型コロナの感染拡大以降、支援を求める依頼は急増していて、今は50以上の団体と個人に食料を届けています。

「(需要は)桁違いです、本当に。今までは毎月(配る食材が)1、2トンだったのが7、8トン。多い時は10トンになりました。やっぱり弱いところに、こういう時はくるんですかね」(「フードバンクTAMA」芝田晴一朗さん)

この日、食料を受け取りに来たのは、保険外交員として働くシングルマザーの小野さん。外出や営業活動の自粛で、歩合を含む報酬は以前の半分になったといいます。

「どうしても(顧客に)会ってはいけないとなってしまうと、仕事が全く先に進まないので、死活問題ですよね。私だけじゃないのは分かっているんですけど」(シングルマザーの小野さん)

フードバンクを利用するひとり親へのアンケートでは、親のおよそ4割、子どものおよそ1割が「食事の量が減った」と回答しています。「子どもに毎食食べさせるのが苦しい」、「自分の食事は後回しになり体重が20キロ以上減った」、こんなコメントが寄せられているということです。

「いつもありがとうございます」(シングルマザーの小野さん)

食費を切り詰める中で、フードバンクは生活の支えになっています。

この日、フードバンクの活動は関東のある大学の研究室で行われました。支援を依頼したのは、教授です。

「1か月間くらい野菜を食べていない。自分のゼミ生がそういう状況にあるということで」(教授)

フードバンクTAMAなどから食料の提供を受け、希望者に週1回、食料を渡しています。利用した学生は、のべ1300人に達しました。

「月で言うと、だいたい5万くらい(バイト代が)減ってしまったんですけど、大変助かっています」(学生)

「部活をやっているので、いっぱい食べると結構食費がかかっちゃって。野菜とか、保存できるものが結構あるのがありがたいです」(学生)

誰もが貧困と隣り合わせの時代。一方で、フードバンクの活動を支える輪も広がっています。食品ロスを防ぐだけではなく、社会貢献として寄付を申し出る人が増えているのです。

「いま、収穫したばっかりで」

フードバンクの代表者は、“1人で苦しまないで声をあげてほしい”と話します。

「昔は世話焼きとかお裾分けとかで結構支えていた。それがほとんどなくなって、どうしても自助と自己責任。自分ではどうしようもないんです。限界にきています。ひとりも取り残さないような社会ができるといいですかね」(「フードバンクTAMA」芝田晴一朗さん)